実況中継のような軽快で臨場感あふれるエッセイ
アテネ五輪より早4年この作品は、アテネ五輪での長島ジャパンを怒りを持って表現した「泳いで帰れ」から早4年、北京オリンピックでの星野ジャパンを痛烈に解説してくれている。私自身は野球に興味がないのだけれど、ここに書かれている文章を読んでいると奥田英朗の苛立ちと無念さが切々と伝わってくる。オリンピックさえさほど見なかったりするのだけど、こんな風に感情を顕に書かれているのを読むと(鉛筆書きだったら相当筆圧が強く書かれているんじゃないかと思う)、ちょっと見てみたかったなと思うほどだった。前回のアテネ五輪でもかなりの怒りと長島ジャパンへのふがいなさを訴えていたけれど、今回もまた痛烈に書かれていた。そもそもタイトルが「再び・泳いで帰れ」である。相当怒っていたのだろう。しかもその怒りはチームのふがいなさにだけではなく、日本の応援する人々にも向けられている。その気持ちはよく分かる。負けたチームにどうして...この感想を読む
3.53.5
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