フリーター、家を買う。のあらすじ・作品解説
フリーター、家を買う。は、有川浩による小説作品。2009年、幻冬舎より発行された。 日経ネット内の丸の内オフィスで、2007年に連載されていたもので、その後アフターストーリーが加えられて出版された。 主人公・誠治は、大学卒業して就職したものの職場に馴染めず、わずか3ヶ月で退職してしまう。再就職を目指すが空振りばかりで、父親との仲も険悪になってしまい、就職活動にも身が入らなくなってしまった。自堕落な生活を続ける誠治だったが、ある日母親がうつ病にかかってしまい…というストーリーになっている。 現代の就職難のリアルな描写や、うつ病となった家族を支え合うことで、一度壊れかけた家族が再生していく様が、高い評価を受ける作品である。 2010年、二宮和也主演で連続テレビドラマとして放送された。最終回まで安定した視聴率を叩きだし、同年の「ドラマアカデミー賞」「東京ドラマアウォード2011」などで、数々の賞を受賞した。
フリーター、家を買う。の評価
フリーター、家を買う。の感想
原作よりドラマが面白い不思議な作品
小説<<<<<<<ドラマ『フリーター、家を買う』は、『図書館戦争』に次いで、有川浩作品のなかではかなり認知度が高い作品なのではないだろうか。というのも、少し前の話になるが、この作品『フリーター、家を買う』はドラマ放送されているのである。主演は二宮和也、母親役は浅野温子、父親に竹中直人と、TVドラマにしては恵まれすぎるほどの豪華俳優陣。ストーリーは原作からだいぶ脚色されているが、実によくまとまっていて感動できる良作だった。お母さんが騙されて息子の就職お守り買ったシーン、筆者はボロ泣きしました。ところが、その原作となった小説版は、物足りない出来だったように筆者は感じている。詳しくは次項から説明するが、そこに有川浩の作家性の問題点があるのである……。どこか鼻につく有川浩作品そもそも有川浩はライトノベル出身だ。今では知名度・応募者ともに業界最高の電撃文庫大賞で、大賞を受賞した経歴の持ち主である。...この感想を読む
以前にドラマ化された一冊。
嵐の二宮君が出ていることがきっかけで、ドラマを楽しみに見ていましたが、次第にストーリーにひきこまれていき毎週、放送を楽しみにしていました。原作の設定はドラマと細かいところが違ったりもあるけれどそれもまた面白く、登場人物の表情や声が脳内再生されて想像しながら読めました。最初のほうは、主人公一家が痛々しくイライラもつのるような展開ですがその分、母親の心の病気が発覚してからの誠治の成長ぶり、変化をしっかり感じることができて面白かったです。ドラマでも印象的なシーンだった、母親の手にクリームを塗ってあげる場面、誠治と一緒に泣いてしまいそうになる。母親が病気にならなかったらきっとそんなことしてあげるなんて思えなかったかもしれない・・自分の家族に重ね合わせてしまい、家族の大切さも気づかせてくれるいい本でした。
頑張るっていいなと思わせてくれます
就職先を自分の我侭とプライドで辞め、フリーターとしてアルバイトを転々としながら好き勝手に過ごしていた青年が、母の病気をきっかけに一念発起して頑張る奮闘記。最初はプライドばかり高くて、自分勝手だった主人公の青年が、段々と周りのことも考えて成長してゆく様子は読んでいて気持ちがよかったです。母親の病気や、その原因となる家庭環境・ご近所付き合いといった少々重いテーマを扱っていながら、決して読んでいて気分が重くなることがなかったのは、ずっと主人公に前向きな姿勢があふれていたからだと思います。読みながら主人公を応援する気持ちでいっぱいでした。読んだ後は、気分もすっきりして元気をもらったお話しです。頑張るっていいなと思いました。
フリーター、家を買う。の登場キャラクター
武誠一
よみがな:たけせいいち ニックネーム:経理の鬼 性別:男性 国籍:日本 性格:非常に頑固 特徴:引っ越し直後の町内の親睦会で酔っ払い、さらに余計な事を言ってしまった事が、近所からのいじめの一因となっている 価値観:寿美子の病気に関しても最初は「心が弱いから」と認めなかった 癖:「酒で身を滅ぼす」と言わ...
武誠治
よみがな:たけせいじ 年齢(作品時):25歳 性別:男性 国籍:日本 特徴:親に相談なく3か月で仕事を辞めた 物語上での目的:母の病をきっかけに一念発起し、甘えていた自分を自覚して徐々に成長していく 職業:フリーター 学歴:それなりに名の知れた大学卒 現在:申し訳程度にバイトと就職活動を続けている 辞職理由...