Colorsのあらすじ・作品解説
Colorsは、百萌子原作の自叙伝であり、2014年11月4日に単行本化されている。 原作者である百萌子の壮絶な半生を文章化しており、人生観が変わる作品。オラオラ系ブランドの読者モデルをしていた主人公の百萌子は、荒れ果てた生活を送る中で車の運転中に大事故を引き起こし、右足を切断する事態が起きた事を契機に、彩りある人生へと再出発し、パラリンピックを目指す物語。思春期の複雑な感情での家庭内問題の対峙と共に、水商売、ストーカー被害、信用していた相手からの裏切り等の様々な人と人との出会い・経験を通じて、成長しようともがき苦しむ主人公の姿が多くの若者から共感されている。不眠症、拒食症、鬱に陥り、右足を失いながらも、人生を諦める事なく、再び輝こうとする姿が読者にエネルギーを与え、高く支持されている。乗り越えられない壁にぶつかっている人、人生のどん底にあり、絶望しかけている人、色々な境遇にある人々が一筋の光を感じられる熱い魂がこもった一作に仕上がっている。
Colorsの評価
Colorsの感想
個性の押し出されたアンソロジー
宮下奈都さんと水森サトリさん目当てで手に取った一冊。巧い。それぞれに個性が表われていて、とても巧いなぁ、と(上記お二人に限らず)。宮下奈都さんの「空の青さを」は、これから動きそうなところで終わっていて、好みが分かれそうだなぁと思うのだが、自分はこれこそ宮下奈都作品だ、と思った。鹿島田の、雰囲気が変わったというシーンも、矢田さんとの、均衡が崩れようとしているシーンも、胸に来るものがある。こういう心理描写の丁寧さ、すごい。水森サトリさんの「銀の匙キラキラ」は、主人公の灰汁の強さがとても良かった。世界は黒くて、濁っていて、そういう中での夫の存在が、すごく沁みて、「守らなきゃ」と思う気持ちに共感。本当に良かった。