軽く楽しめるサスペンスホラー
どこにも逃げられない恐怖山荘に篭った作家が雀蜂に襲われるところから始まる。季節は冬で、本来なら自然の中では活動できないスズメバチが山荘の中を飛び回っている。少しでも昆虫のことを知っていれば、真冬のましてや雪がちらつく中、ハチが飛び回ることなどないことが分かる。これでただの事故や偶然でなく、仕組まれた罠ということが見えてくる。この冒頭のあたり、作家がスズメバチに追われ逃げ戦うところは、臨場感があって手に汗を握るくらいだった。ましてや彼は過去にスズメバチに刺された経験があり、あと一度刺されるとアナフィラキシーショックによって命の保障がない。私自身、過去にハチに何度か刺された経験があり、それほど重篤なアレルギー症状こそ出なかったがその時の恐怖は身に刷り込まれている。あの不愉快な独特な羽音と何よりも強烈な痛み。彼が感じる恐ろしさは手に取るように理解することができた。だから、カーテンでハチを押さ...この感想を読む
3.03.0
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