塩の街のあらすじ/作品解説

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塩の街

4.504.50
文章力
4.50
ストーリー
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キャラクター
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設定
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演出
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感想数
4
読んだ人
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塩の街のあらすじ・作品解説

塩の街は、2004年の有川浩の小説作品。発行元はメディアワークス。 舞台は、甚大な塩害により崩壊しかけている日本。ほとんど機能していない社会の中で暮らす男・秋庭と、秋庭と同居する少女・真奈。不自由ながらも穏やかに日々を過ごす二人は、塩害により運命を狂わされた人々との出会い、別れを経験する。そして、世界の行く末を大きく左右する来客が、二人のもとへやってくる。 有川浩はこの作品で「電撃ゲーム小説大賞」を受賞し、小説家としてデビューを果たした。有川作品の「自衛隊三部作」とよばれる三部作の一作目で、「陸」にあたる小説である。当初「受賞作品はすべて文庫化する」という決まりだったためにメディアワークスから文庫版が発売されたが、「本当は最初からハードカバーで出したかった」と出版社に言わしめるほどの作品で、その後大幅に改稿されたハードカバー版が発行された。文庫本からハードカバーになったという異例の作品である。

塩の街の評価

総合評価
4.504.50
(4件)
文章力
4.504.50
ストーリー
4.384.38
キャラクター
4.504.50
設定
4.634.63
演出
4.504.50

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塩の街の感想

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塩の街~有川浩~

図書館戦争シリーズにて一躍名を馳せた作家、有川浩氏のデビュー作です。塩が町々を埋め尽くした世界において、東京湾の真ん中に立つ巨大な塩化ナトリウムの結晶を見た者は塩になってしまうという極限状態の中で生きる人々の生活を描いています。有川氏の後の作品でも多く見られる、いわゆるミリタリー系の要素をふんだんに盛り込んだ構成となっており、元航空自衛隊のエリートパイロットの青年と、人間らしさを求めるが故に彼を無意識に振り回してしまう女子高生の二人がメインキャラクターとなって物語は進みます。極限状態の中でむき出しになる人間のエゴ、理想を求めるがゆえに現実にぶつかり、その現実に対して何もできないという無力感、そして何かを為すために自分にとって大切な人を犠牲にできるかという問いを読者に投げかけている作品であると思います。極限状態における愛、倫理観、道徳観、人としての誇りは守られるべきものなのか。自分の関わ...この感想を読む

3.53.5
  • blass007blass007
  • 337view
  • 551文字

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塩の街の登場キャラクター

小笠原真奈

よみがな:おがさわら まな 年齢(作品時):15~18の間 性別:女 性格:芯が強くとても理性的 外見:おとなしく目立たない 周りからの評価:大人しやか、可愛い 好きな相手:秋庭 高範 両親を失った理由:塩害 秋庭との出会い:暴徒に襲われそうになったところを秋庭に助けられた 親しくなった自衛官:野坂 由美

秋庭高範

よみがな:あきば たかのり 性別:男 住まい:新橋 所属:航空自衛隊 性格:意外と潔癖 過去:航空戦競会三連覇 元職業:航空自衛隊二等空尉 恐怖を抱く存在:入江 慎吾 父親との関係:対立後、長いあいだ絶縁状態 高校の同級生:入江 慎吾

塩の街の名言

誰かが見てても見てなくても、毎日こんな景色なんですね。夏じゃなくても、あたしたちがいてもいなくても──毎日、こんなに綺麗なんだ......

小笠原真奈

塩が世界を埋め尽くす塩害の時代、塩は街や人々を飲み込み社会は崩壊しつつある頃、綺麗な海に行きたいと、日が照りつけるなか群馬から歩いて東京まできた青年と出会う。主人公真奈のお願いで同居人秋庭が力を貸し、やっとの思いで由比ヶ浜へ着いた時に真奈がもらした言葉。

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