はてしない物語のあらすじ・作品解説
『はてしない物語』は1979年にドイツの児童文学の大家ミヒャエル・エンデによって書かれたファンタジー小説である。日本では1982年、のちにエンデの妻となる翻訳家・佐藤真理子によって翻訳され、岩波書店より刊行された。1985年には「ネバーエンディング・ストーリー」という題でワーナーによって映画化されたが、エンディングが原作と異なりこれを遺憾としたエンデが訴訟を起こした経緯がある。 父子家庭に育ち、引っ込み思案な性格でいじめられっ子の本好きな少年バスチアンが、偶然飛び込んだ本屋で不思議な本と出会うことからストーリーは始まる。その本は崩壊の危機に瀕している「ファンタージェン」という架空の国を救うために勇者が奮闘を繰り広げていく冒険小説で、バスチアンはすぐにこの物語に夢中になる。しかし本を読み進めていくと次第に彼の周りで次々と奇妙な現象が起こり始め、気付けば彼自身が本の中の登場人物になってしまっていた。冒険の中でバスチアンが悩み迷いながらも前進し、成長する姿と共に物語は展開していく。
はてしない物語の評価
はてしない物語の感想
あの世界に行きたい!
いつか読み続けていれば、私もワープしてあの世界に行けるのではないかと本気で思っていました!子どもの時の最大の憧れでした。 結構な厚さなんですよねこの本は。大変なんですよ。 はっきり言って、そんな子供向けって感じではないかなって思います。 すごく本当は深い話だと思うのです。 でも、子どもだからこそ感じる面白さがあるのだと今は思います。 私はとにかくファルコンが大好きで、あのモフモフを感じたいし、空に乗って冒険したいなって思ってて、人間の夢ですよね。 不思議な世界で自由に冒険したい、敵を倒しながら、英雄になりたい!と、そういう子どもの夢をはてしない物語ではかなえてくれるのです。 もちろん、そんな浅い話ではないと思いますが、自分だけの物語を感じられるところが本の良さですよね。大人になった今もまた読んでみたいし、自分の子どもにも読ませたい、そして、またあの素晴らしい不思議な世界に飛び込んでいき...この感想を読む
夢中になった本
こどもの頃に、映画を見にいって映画にはまりその後、誕生日プレゼントで買ってもらった本です。映画と同様の、あかがね色の布地、装丁の素晴らしさ、2色で刷られた文字。大人になった今もまさに宝物と呼べる本です。「わたしはファンタジーが好きなんだ!!」と認識させられた一冊自分も本の中に入れるのではないかと期待しながら、読んでいたのを思い出します(笑)初読から何度も何度も読み返しても、飽きることなく本の世界にひきこまれ歳を重ねるにつれ、感じるものが少しずつ変わりながら本当にはてしない物語です。ミヒャエルエンデの才能のすばらしさに魅せられつづけています。この単行本は絶対に自分の子供にもプレゼントしたい本です。
お世辞じゃない、定型句じゃない、ファンタジーの最高峰
最初にこの本を読んだのはもう十年以上前のことだが、あとにもさきにもこの本以上に素晴らしいファンタジーを読んだことが無い!いじめられている主人公のさえない男の子が、本屋で本を万引きして、家にも帰れず一人学校の片隅で古い毛布にくるまってその本を読んでいく。そこに出て来るのは……というお話。作り込まれた世界観、物語設定に脱帽。主人公が成長していくのが、そして傲慢になっていくのが実にリアル。かなりの長さなのに何度でも読みたくなる。映画の「ネバーエンディング・ストーリー」はダメダメ。あれは作者のミヒャエル・エンデも訴訟を起こしているとか(残念ながら負けたらしいけど)。いじめっこたちを見返してそれで終わり、というような薄っぺらいお話ではないのだ。