価値観の違う奴とは、辛いと思えるうちに離れといたほうがええねん。
森岡ミサ
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阪急電車は有川浩の作品で2008年に幻冬舎から出版され、その後2011年には中谷美紀主演で映画化もされ11.4億円の配給となった。 本作品は阪急今津線の8つの駅を舞台として全16話で構成されており、小説のタイトルにそれぞれの駅名が付けられ、一見すると各々が独立した短編集のようだが、実はそれぞれが組み合わさった連作集となっている。 所要時間わずか14分の短い路線だが、通勤や通学で毎日使う電車の中で繰り広げられる日常の会話や小さな出来事から始まり、「あっ、もしかしてこんなシチュエーションで生まれるドラマってあり得るかも?」と読者に想像力を膨らませるところが作者の上手さ。基本的に多くの作品が女性目線で書かれており、呼吸をするように恋愛に発展するのも他の作品同様に有川浩ワールドの真骨頂であるが、連作集ゆえに清涼感があふれる仕上がりになっていて、読み終わった後にほっこり、かつ満足感を得られることが出来る。
最初に映画を観て、自分が昔から親しんできた阪急電車が題名のこんなに素敵な作品があるなんて!!と嬉しくなってしましました。小説を読んでみて、登場人物それぞれが何処かで繋がっていて、他人に受けた恩をまた他人に返すお話だと思いました。とても温かい気持ちになるお話です。私たちは広いようで狭い世界で生きているのかなと思わせてくれる作品です。読み応えがあります。映画では宮本信子さん演じる、お婆ちゃんがとても格好良くて大好きだったのですが、やはり小説でも変わらず素敵でした。『阪急電車』は、映画も小説もどちらも楽しんでほしい作品です。お勧めです。
映画の方を先に見ていましたが、後から原作も読みたいと手に取った本でした。どの登場人物も好感もてて、幸せな気持ちになれる本。阪急電鉄今津線を舞台にした物語。乗り合わせた客たちに起こる日常、偶然に阪急線に乗り合わせた人がつながっていく、ステキな物語。奇跡のような出会いに感じるけれど、それって結構身近におこることかも?優しい出会いが今日もどこかで起こっているんじゃないかなあと思いました。見ず知らずのおばあさんとお話ししたことや、毎日出会う通学中の名前も知らない子を気になったりした自分の経験もちょっと思い出したりして(笑)あまり、電車に乗る機会がないこのごろ、たまに電車で出かけてみたくなりました。
阪急列車はとても短いローカル線だそうです。私は乗ったことがありませんがそんな路線が舞台のお話なのです。ある女性がウエディングドレスを着て列車に乗り込んできます。彼女は二股を掛けられていた男の結婚式に真っ白なウエディングドレスで参加して会をぶちこわしにしてきたのでした。ある女子女子高生は年上の彼氏のことで悩んでいました。社会人の彼とのことで悩んでいたのでした。ある主婦は毎日のように主婦友達に高級なランチに誘われて本当は行きたくないのに言えずに心が病んでいました。そんな風にいろんな問題を抱える人が電車に乗ってきます。そして、悩みを持った者同士が偶然出会い、それぞれに悩みを解決しすべてが繋がっていくのです。
よみがな:たかせ しょうこ
森岡ミサ
彼氏との関係に悩むミサが、電車で出会った主婦との会話の中で言った。
高瀬翔子
同級生にいじめられている小学生に出逢い、気丈に振る舞う彼女に翔子がこの言葉を贈りました。変に慰めない翔子の励ましは、凛としている彼女のかっこよさがよく表れています。
萩原時江
電車で居合わせた老婦人が、恋人を寝取られた主人公にかけた言葉。