十津川警部 愛と祈りのJR身延線の評価
十津川警部 愛と祈りのJR身延線の感想
事件の終わりが、事件の始まり
橋本の新たな一面がわかる作品この作品のみではないが、北帰行殺人事件を始め、橋本が活躍する作品を読むと、著者西村氏がいかに橋本というキャラクターに思い入れがあるのかを感じることができる。十津川や亀井など、ある程度プライベートのことまで描かれているキャラクターはいるが、橋本は主役級以外のキャラとしては異例ともいえるほど、プライベートや性格が事細かに描かれることが多く、魅力的なキャラクターの一人と言える。この作品では彼に大富豪の叔母がいたことが発覚する。私立探偵としてやや経済的に苦しい生活をしている橋本だが、なんとこの叔母に万が一のことがあれば、莫大な資産の後継人だというのだから驚きである。そういった背景以外に、快活な叔母が旅行に出た切り連絡が取れなくなっても、比較的対応が呑気であるなど、元刑事、現探偵にしては意外におおらかな一面も垣間見ることができる。警察では限界がある部分を橋本が補ってく...この感想を読む