十二番目の天使の評価
十二番目の天使の感想
不憫な子供がかわいそうなのではなく、比べてお前はどうなんだと問われている
実は著者は小説家でなく人生哲学書作家はじめて、この本を手にとったときは、純愛ブーム真っ只中で、恋愛ものに限らずお涙頂戴な本が、よくでていたと思う。そういう「泣ける」と謳う作品に、げえ、と思っていたはずが、そのラインナップに並んでいたこの本を、なんで読もうと思ったのかは、覚えていない。まあ結構、題名とか本の装丁とか気にいって、どんな内容なのかまったく知らないで読みはじめることもあるので、お涙頂戴にしては控えめなデザインに、惹かれただけなのかもしれない。にしても、今あらためて本を開いてみて、袖に書かれた紹介文の「涙をなくしては読めない物語・・・」の見出しには、やはり寒気がする。そんなに「これは泣けるぞ!」と全面にPRしたら、却って興ざめする人がいて、手に取ってもらうチャンスがなくなってしてしまうのではないかと、余計なお節介に思うほど、案外安っぽい物語ではないのだ。たしかに謳い文句の通り涙を誘...この感想を読む
感動だけではない、頑張ろうという気持ちが芽生える作品
ティモシーの目標は「ヒットを打つ」主人公は、妻子をなくして無気力になった野球コーチでしたが、彼に大きな影響を与えた少年ティモシーがタイトルにある「12番目の天使」言われるのかがわかるまで少し時間がかかりました。ティモシーが所属する少年野球の子たちは、成長たくましくて、バットを振ることや走ることも自由にできるのに対して、体が弱くて病気なティモシーは「野球の打者としてヒットを打つ」を目標にしているところが、何故か胸が打たれました。きっと、彼の体が健康だったら、おそらくみんなと同じように試合にでて活躍したいと声に出して言っていたのではないかと思いました。彼が、そこまでの力が自分にないことを理解して、自分ができそうな限界を目標に頑張る姿は胸を打たれるものがありました。また、つらい状況でもあきらめずにトライするティモシーの姿に、「自分も頑張らなくてはいけない」気持ちにさせられました。ティモシーが頑...この感想を読む