終わりなきポーポー語探求家、小川洋子の世界
ポーポー語について考える小川洋子2012年発表の30作目の小説。発表当時は12年ぶりの書き下ろし長編、とやたら紹介されていた。読んでみると、あまり大きな事件などが無いことや、その静かな世界観は確かに連載小説には向いていないな、と感じる。とはいえ私が着目したのはそこではなく、ポーポー語だ。作品中の謎の小道具や出来事を、これは○○のメタファーである、とか社会の風潮を暗に示している、とか無理やり何かに関連付けしたがる人がいる。作中語られなかった部分を解明したいと思う人もよく見る。しかし私は作者が語っていない箇所は謎のままで良いし、必要以上に深読みしたりするのは作品本来の意味合いを損なう行為だと思う。作者は説明していない箇所は謎にしておきたいのだろうし、私自身も文章を書くとき全ての事柄に比喩を込めたりはしない。しかし、この作品のポーポー語には自分なりに言及したいことがある。以下それについて語る...この感想を読む
4.04.0
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