震度0の評価
震度0の感想
「情報」が人を動かす
1995年1月17日朝。警察官の失踪事件が起こる。それをめぐって、役職・立場を守るために複数の人間の黒い思惑が動いていく。情報を得ようと躍起になる人々。内部のゴタゴタの裏では、阪神大震災が。重大な事は他にあるにも関わらず、そこを二の次として書かれているところに警察の滑稽さが浮き出ていると思う。この物語のキーは「情報」である。他人を出し抜くために集める情報。自分が有利になるように情報の流れを操作したり、相手の出方を伺ってみたり。彼らにとっては、震災よりも自己保身の為の情報操作の方が重要なのだ。組織の欠点・組織に埋もれる弱い人間が上手く描かれている。それにしても、出てくる人皆情けない。嫌な人間ばかりが集まって嫌なことをしている。警察内部だけでなく、大きな組織はこんなものなのだろうか・・・。