十字架の評価
十字架についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が2件掲載中です。
各項目の評価分布
十字架の感想
生きることが、十字架を背負うということ
重松清さんの作品はあまた読んでいます。この作品は、ある事件をきっかけに、いじめの問題が激しく議論された時に、読みました。親友だと思っていない同級生がいじめで自殺をし、被害者の彼に親友だと思われていた主人公と、彼に思いを寄せられていた女の子が、罪の十字架を背負って生きていくという内容です。これは、いじめを知っていながら、「傍観する」ということ、「第三者に徹する」といういじめの残酷さと背景に警鐘をならしている作品といえます。一見、どうして遺書に名前を書かれてしまっただけで、これほどに重い十字架を背負わなければならないのだという気持ちにさせられるくらい、「責め」の重さが主人公と女の子に襲い掛かってきます。たかだか十やそこらの年齢で、まわりをまきこんで、いじめの流れを変え、たいして仲良くもない友人を救い出すエネルギーがあるのか?それは、大人の私達が十分しんどいことだと分かっています。けれど、だ...この感想を読む