オッベルと象の評価
オッベルと象の感想
ブラック企業とその従業員の関係みたいだなとふと思った
偏った見方かもしれないけれど、オツベルが死んでしまったことによって、白象は働くことができなくなっってしまいました。その喪失感は、何となくブラック企業で働く従業員の精神状態に似ている気がしました。働くことが好きで、働くことで自分の存在を保っていて、どんどん追い込まれていきます。そのこと自体が辛いけれど無くなるともうどうしようもない、喪失感に襲われてしまって…と想像しました。これは、中学生の時に国語の授業で習いましたが、さっぱり意味が解らず…難しいお話だと思います。大人になって読み直してみて、何となく、ブラック企業かなぁ…と思ったのでレビューを投稿します。
真相は宮沢賢治のみぞ 知る
中学校1年生の国語教材。仕事が大好きな象と卑怯で自己中心的なお金持ちの雇い主のオツベルの話。本作品の書き終わりの真相は未だに解明されていない。「おや(一文字不明)川へはいっちゃいけないったら」脈絡のない文は何を伝えようとしていたのだろうか?この1文が読者の想像力を沸き立たせる。オツベルは最後に死ぬ。オツベルの下で労働をしていた象を助けに来た象の仲間たちに押しつぶされる。その様子をこのように記されている。「オツベルは(略)もうくしゃくしゃに潰つぶれていた。」オツベルに対する憎しみや恨みが感じられる表現だ。助けられた象はオツベルにいじめられていた。だから、助けを呼んだ。しかし、オツベルが死んだことを悲しむ。結局、どんなにひどい雇い主でも存在しなければ、労働者は生かされないという揶揄なのだろか?