晩年という言葉の嘘。
高校の現文教科書に載っていました。短編集です。私は大学の頃、晩年の講義を受けました。知れば知るほど深みにはまって足は定まらない方向へ無理にでも動かす。けれどそれが正しいか正しくないかは人それぞれの捉え方次第で、私は希望の光を見た気がしますが、その輝きに永遠はなく、人の小さな仕草でおこる風にいとも簡単に消されてしまいそうな危うさが耽美であり、またそれを切望してしまう気持ちを否定できない。誰もが幸せのまま終わって欲しいと願うだろうけれど、その幸せになるために平凡で安全な道へと進まなければならず、しかし、本能で否!と所々諸々の雑念を払拭するのです。鳥肌が立ちました。猿ヶ島、という一編が教科書に載っていたのですが、私は最後まで主人公が猿だとわかりませんでした。読解力の無さもあるかと思いますが、今まで読んだ作品で人間のような思考をする動物が主人公という設定の作品がなかったから素直に主人公=人間と...この感想を読む
4.54.5
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