白ゆき姫殺人事件の評価
白ゆき姫殺人事件の感想
若干の消化不良感が否めないミステリー
展開の早さと登場人物のわかりやすさはよい湊かなえのサスペンスらしく展開も早く、湊かなえらしく登場人物が多くなってもそのそれぞれの個性の立たせ方のうまさからそれほど混乱せずに読める作品ではある。今回の「白ゆき姫殺人事件」も登場人物の見分けだけでなくその相関図も難なく頭に入ってきたし、一気にストーリーに読み手を引き寄せる文章のうまさは相変わらずだった。だけど、最後まで読んだ結果、どうも読後感がよくないのである。犯人も分かった、動機もわかった、でもなにか腑に落ちないものを感じてしまうのだ。この物語は殺された三木典子の周囲の証言で構成されている。この話し言葉ですべての物語を構成するというのは湊かなえの得意とするものの印象があるけれど(「告白」がその代表だと思う)、今回の作品もそのように構成されている。話し言葉といっても決して読みにくいこともなく、逆に場面の描写などは分かりやすく感じることもある...この感想を読む
犯人が気になって最後までドキドキ。
「白ゆき」という石鹸の商品で有名な会社の美人OLが惨殺された。犯人は?動機は?何があったのか?という殺人事件ですが、湊かなえさんの文章・構成力で引き込まれます。ひとりの週刊記者が関係者にインタビューする、もしくは雑誌社あてに送られた投稿を載せる、という形で話が進んでいきます。取材するうちに1人の噂話から、ある女性が殺したのではないかと疑われその女性に関する人たちの証言が、どんどん出てくるのですが恐ろしい!と思ったのは、1つの出来事をとっても自分と相手の受け取り方が違うこと。かたや親友だと思っていても、もう片方は裏切られたと思っていたりいい印象が出てきたかと思うと、まったく真逆の暗い部分が語られたり。最後まで犯人が分からず一気に読んでしまいました。後半に事件に関する週刊記事や新聞記事、ネットでの投稿などがそのままの形で載せられているのですが、これも怖かった。勝手な憶測、誹謗中傷、大げさな表...この感想を読む