澄んだブルーに魅せられての評価
澄んだブルーに魅せられての感想
IJ作品にしては詰めが甘く、味気のないストーリー
登場人物の関係性の底の浅さアイリス・ジョハンセンシリーズは数多く読んできた。復顔彫刻家イブ・ダンカンシリーズや、「スワンの怒り」「真夜中のあとで」など、ロマンスやサスペンスに満ち溢れたストーリーがいつも魅力的で、毎回ページをめくる手が止められずに一気に読めるものだった。またそれぞれの登場人物たちもいい。イブ・ダンカンはもとより、イブにいつも連れ添うジョー、災害救助犬モンティを引き連れて世界を走り回るサラ。「スワンの怒り」のタネク、限りなく深い哀しみを背負いながらも最高の美女に生まれ変わったネルなど枚挙に暇がない。それに比べて今回の「澄んだブルーに魅せられて」の登場人物たちにはどうもそれほどの魅力を感じなかった。まず主人公のケイト。教育を受けたことがないながらも生まれもった明晰さで世の中を渡る強い女性ではあるのだけど、どうもそこに深みが感じない。そんな環境で生きてきたならば相当な苦労をし...この感想を読む