オカメインコに雨坊主の評価
オカメインコに雨坊主の感想
チサノの口調が面白かった
乗る列車をうっかり間違えて辿り着いた山間の村で暮らし始めた「ぼく」は、よろず屋の孫である、大人びたというよりも、まるでおばあさんのような口調の小学生、チサノと、その祖母、こちらはまるで若い女のような口調である…の家の離れに住んでいる。哲学者のような口調の、英語教師、アイルランド人のノートンとの交流や、猫のミーコ、犬のシロ、村の人たちとの交流で、妻を亡くして虚ろだった「ぼく」の心は温かく満たされていく…という、7つの連作短編集です。チサノの口調がとても小学生とは思えなかったのと、どうしていつも大量の荷物を持って小学校に通っているのか?置きっぱなしにはできないのか?そんなに毎日習字や図工があるのか?という疑問で、面白かったです。「ぼく」が出会う、夢か現か分からない出来事たちも、ほんのりと温かく胸に沁み入り、良い作品だと思いました。