アキレスと亀の評価
アキレスと亀の感想
芸術家のあり方
北野武監督が、とある芸術家の姿を描いた作品です。幼い頃から絵が好きで、売れない画家になった真知寿と、それを支える妻の物語。真知寿の描く絵全ては、実際に北野監督が自身で描いた作品です。とても鮮やかに、隙間なく埋め尽くされたような絵を描かれていました。才能豊かな人はすごいなぁと思います。しかし映画の中の真知寿は中々人に認められず、ついてきてくれていた妻も、娘の死によって離れていってしまいます。世に認められればいいだろうけど、芸術家というのは孤独な家業なんだなとつくづく思いました。そんな中で独りでも、信じてついてきてくれる人は大切にしないといけないけど、結局芸術を取るか、愛を取るかという選択を迫られてしまうんですよね。難しいなと思いました。
なかなか
なかなか面白い映画ですかね。この映画の最大の欠点は主人公があまりにも人間味がなさすぎること。特に青年期は感情がないロボットのようだ。目の前で人が死んでも無表情。これにより努力している姿に必死さが伝わってこないのだ。青年時代の主人公は大きな成功を手にしてもあまり喜ぶとは思えない。ラストも陳腐なラブストーリーようで好みじゃない。もっと夢に立ち向かう感情を出さないとダメだ。がむしゃらさ、必死さを感じさせない督北野武にとっておそらくジミー大西と山下清の作品が絵画的な芸術作品として最高峰に君臨しているのではないでしょうか。北野映画全作品から共通して受ける印象はこの二人の作風と驚く程良く似ています。。
北野武監督の個展のような映画
北野武監督・主演作品。2008年公開で「TAKESHIS'」「監督・ばんざい!に続く、芸術家としての監督自身を投影した三部作の最終作です。この映画で目を引くのは何と言っても主演である北野武演じる真知寿の描く絵。全て北野武監督本人が描いた絵が使われています。映画を見ているわけですが、北野監督の絵の個展に来たと思うほど多くの絵が見れます。また、その絵の独特なこと。北野武監督の絵描きとしての一面を知ることができます。ストーリーは非常にしっかりしていて、主人公真知寿の幼少期、青年期、熟年期共見やすく作られています。私としては青年期の青春シーンが一番面白く感じました。ラストでは美しい愛の形が描かれ、見終わった後も清清しくなれる作品です。