アウトレイジ ビヨンドの評価
アウトレイジ ビヨンドの感想
さあどう発展するのか
『アウトレイジ』の続編。まさか続くとは思っていなかったが(たけし演じる組長をどうするんだ)、予想よりもうまくまとめてある。前作のレヴューで「昭和任侠道的な情の世界が冷徹なマキャベリズムに殲滅されるようだ」と書いたが、今回は逆に昭和任侠道の方向に揺り戻しがきているような気がする。功利の世界が情の世界に復讐されたのだ。たけしと中野英雄の結束や、ラストの小日向文世演じる旧知の仲の老獪な刑事をたけしが殺すシーンなどにそれを感じる。私は前作の加瀬亮演じる冷酷で計算高いヤクザがかっこよくて気に入っていたが、監督は徹底していて、彼を失禁の上命乞いさせている。「ダサかっこいい」ヤクザを描くのが北野監督の持ち味なのだろう。
情け容赦のない駆け引き
北野武監督の「アウトレイジ」からの続編です。相変わらずのバイオレンスぶりですが、前作と比べると大きな展開はあまりない印象で、ヤクザのキャラクターも前作のほうが面白い人物が多かったような気がします。個人的に印象深かったのが、少しだけあった銃撃戦のシーンです。いちいち物陰に隠れたりせず、隣の味方が撃ち倒されても全く怯まず、先手必勝とばかりにひたすら前へ進みながら撃ちまくる。実際の日本のヤクザもそうなのかは知りませんが、洋画の銃撃戦を見慣れているせいか、何だか新鮮に感じました。関東と関西のそれぞれ大きな組織が絡んでくるので、その水面下の駆け引きなどはなかなか面白かったです。ヤクザものは普段は観ないのですが、映画として普通に楽しめました。
期待してはいたけど、少し豪華過ぎ・・・
北野武監督作品。2010年に公開された「アウトレイジ」の続編です。私はアウトレイジが好きで、この「アウトレイジ ビヨンド」も非常に楽しみにしていましたが、ちょっと期待外れでした。基本的には一作目も二作目もひたすら暴力的なシーンが続くヤクザ映画です。一作目ではそんな暴力的なシーンの連続の中でも、それぞれの登場人物の個性がしっかりと出ていて、ストーリーも一連として面白く見れましたが、この「アウトレイジ・ビヨンド」では配役に懲りすぎて、役の個性が目立たなくなってしまった印象。ストーリーも前作よりも大きくなっているのかもしれませんが、返ってわかりにくくなってしまった印象。前作での主要な役の半分以上は死んでしまっているので、新しい配役を考えなければいけないのはしょうがない事ですが、もう少し練って欲しかったなと感じました。