博士の愛した数式のあらすじ・作品解説
博士の愛した数式は、2006年1月21日にアスミック・エースにより公開された日本の映画であり、興行収入12.0億円を突破した人気作品である。 事故により記憶が80分しか持たなくなってしまった天才数学博士。そんな彼が愛したのは、数字と子供であった。彼の家政婦は毎日訪ねてくるが、記憶が80分しか持たない彼にとっては毎日その家政婦と初対面の状態であった。 「君の靴のサイズはいくつかね」――彼が会話に困ったときは必ず、数字に関する質問がなされる。日常のどこにでも転がっているような数字を、博士は意味のあるものにしてくれる。やがて、家政婦も映画の視聴者も、博士の織り成す数字の美しさにそっと魅せられるようになるのである。 小泉堯史がメガホンを取り、博士役に寺尾聡、家政婦役に深津絵里を迎えた本作品は、第30回日本アカデミー賞優秀男優賞、第61回毎日映画コンクール音楽賞を受賞している。 また、映画公開と並行して漫画化もされ、講談社のBE・LOVEにて全4回で連載された。
博士の愛した数式の評価
博士の愛した数式の感想
優しい映画
心が温かくなる映画です。80分しか記憶が続かない博士とその世話をする家政婦と彼女の息子の3人の触れ合いが素敵で良いです。毎朝、「はじめまして」から始まる生活。当事者は大変だろうけど、ある意味新鮮だろうなぁと観ながら思ってました。毎朝新しい朝なんだなぁと思いながら観ました。息子の頭がペッタンコだからルートとあだ名を付けられるシーンも好きです。ある時、江夏という博士が大ファンの野球選手がもう引退したとルートが言ってしまい、博士はとてもショックを受けます。忘れてしまうけれど傷つけてはいけないと、親子で反省会をしているシーンが一番印象的でした。
期待はずれすぎて悲しくなりました。
もっと面白いと思っていました。タイトルにインスピレーションを感じて予備知識なしの状態で観ての感想です。原作未読の私が言うのもなんですが、原作の魅力であろう部分が全然活かされてないのではないでしょうか。登場人物それぞれのキャラクターや、数字にまつわるエピソードなど、映画的に面白い部分をクローズアップしたという意図は感じます。しかしなにか大切なものを盛り込むのを忘れてるというか、表層だけさらった深みのなさのようなものを全体的に感じてどうしても見ていて入り込めなかった…監督は原作に思い入れがなかったのだろうかとさえ感じてしまいます。個人的にはキャストもミスっている感があります。作品の繊細さに対して俳優があくの強い人ばかりで、俳優を見ているという感じがしてしまいました。
男は女によって作られる
簡単に言うと子供が育つ環境には影響を与えられる存在は付加価値が高ければ高いほど良いと言うメッセージが入っている。この映画の全編にある、家政婦は自分の息子に対して、クライアントの悪口や愚痴ねたみや嫉妬などの感情がこもった言葉が全く無い。数学者は一人の男であり、息子も子供では在るが一人の男である。子供のときに、凄い人や憧れる人の存在はいかに後の人生を変えるかを、監督はメッセージとして入れているのではないだろうか。男が育つときに、どうしても成長した男の存在が必要になる。この子供時代に何を考えて、何に興味を持つかと言う強烈な体験が、男を男として育て上げるのだろう。大胆に繊細で優美にして力強い男を作るのは女だ。