割れずにあること、それがうれしい
高崎晴子
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ツレがうつになりまして。は、細川貂々による実録エッセイ漫画を原作とする、2011年公開の映画作品。主演は宮崎あおい、堺雅人。 それまでバリバリ働くサラリーマンだった夫が、ある日突然「死にたい」と言いだし、うつ病と診断されてしまう。売れない漫画家である妻との闘病生活を、独特の描き口で描いたストーリーである。作中では自殺未遂や症状の悪化などの深刻なシーンもあるが、決して暗いタッチばかりで表現せず、ユーモアをふんだんに交えた描写がされている。実際にうつ病を経験した人からも、高い人気を得ている作品である。 2006年に発売された原作本の人気もあってか、公開わずか二日で興行収入は約1億3000万、観客動員数は9万人を超え、映画観客動員ランキングでは初登場4位となった。後にこの作品は金鶏百花映画祭にて、外国語最優秀作品賞を受賞。主演の宮崎あおいも日刊スポーツ映画大賞や日本アカデミー賞で、主演女優賞を受賞している。
うつ病がテーマの作品は見たくなかった私現代病と聞いたことがある”うつ”という病気。何事にも、興味を示さなくなり、今まで楽しく思っていた事に対しても無感情になってしまう。涙が止まらなくなる、頭痛がする、吐き気がする。人混みの中にいられなくなる。意味もなく不安で仕方なくなる。体が重く思うように動けなくなる。布団にくるまり、暗い部屋にいると落ち着く。これは全て私自身の経験から述べたものです。私も、ツレと同じ”うつ病”です。この作品のタイトルを見た時、最初は絶対に見たくないと思いました。何故か分からないけど、この病気の気持ちが映画で表現できるのかと、何だか悔しい気持ちになったからです。うつ病を映像化したことで何になるのか全く意味が分かりませんでした。誰かのためになるのか、うつ病を世間の人に知ってもらうためか。知ってもらったところで、うつ病は良くなる訳ではないし、この映画を見ただけで、そう簡単に...この感想を読む
映画の雰囲気が良いです。出ている俳優さん達が、皆演技上手な方ばかりで安心感があります。人間どっかで、しんどくなる時はあって、この作品の良いところは復活するところまで描いてくれているところかなぁと思うんです。鬱になったら、これからの人生全て終わり!!って感じじゃなくて、大丈夫だよ〜って言ってくれるような作品だから嬉しくなりました。とても安心感があります。そして、大事な人を大事にしたいと本当に思います。もしツレが鬱になったら、絶対支えたいし、自分が鬱になったら支えて欲しいし、鬱じゃなくてもしんどくなったら支えて、支えられて人生歩んで行きたいなぁと思いました。
売れないマンガ家晴子の夫・通称ツレが、ある日突然うつ病になる。彼の変化に気付けなかったことを後悔する晴子は、ツレの回復のために協力しようと努力するが・・・主演の宮崎あおいさん・堺雅人さんが、ほのぼのとしたどこにでもいる夫婦を好演しています。割とあっさりと描かれていましたが、うつ病の治療は難しいもの。長くかかる病気を通して、夫婦のあり方や人間関係について考えさせられました。終盤の結婚式での誓いを改めて行うシーン、とてもよかったです。穏やかな日常を保っていくことが、どんなに大変なことか。観終わったあと、温かい気持ちになる良い作品です。
よみがな:たかさきはるこ
よみがな:たかさきみきお
よみがな:みかみたかし
高崎晴子
主人公の漫画家で結婚5年目の晴子の夫がうつ病になってしまう。そんなある日、古道具屋の主人に器が「割れなかったことで価値がある」といわれ、晴子はうつ病に陥って自分を責め、苦しめ、自殺未遂までしてしまう夫を献身的に看病する。そんな状況の中、主人公晴子が愛する夫が生きていることに感謝の念を表した言葉。
高崎晴子
二年ぶりの結婚同窓会の案内がきた。それに出たいと言った幹夫と春子は電車に乗り、同窓会に出た。そして、晴子たちの近況報告のときがきた。前回は出席できなかった理由を、幹夫が自分がうつ病になったこと、そして妻が笑顔で支えてくれたことを言ったあと、晴子は「先ほど、結婚式に読み上げた結婚の誓約を久しぶりに読み上げて、胸にこみ上げてくるものがありました」と言って、こう続けた。
高崎晴子
ある日、晴子は連載雑誌の担当編集者の君塚さんに「ツレがうつになりまして、仕事をください!」とお願いした。その後、晴子は、君塚さんから自分の元上司(この人もうつ病経験者)を紹介してもらい、仕事をもらうことができた。その日の夜、幹夫に晴子は、自分がこう言えたことがうれしかったことを伝えた。