ALWAYS 三丁目の夕日のあらすじ・作品解説
ALWAYS三丁目の夕日は、2005年に公開された日本の昭和30年代を時代背景として高度経済成長期を生きた個性豊かな人々の心温まるエピソードを描き出している映画である。原作は1974年よりビックコミックオリジナルで連載を開始したシリーズ総発行部数1400万部超えの西岸良平『三丁目の夕日』である。また、続作として2007年に『ALWAYS続・三丁目の夕日』、2012年に『ALWAYS三丁目の夕日’64』がある。 『ALWAYS三丁目の夕日』シリーズの第一作であるため、鈴木オート社長、鈴木則文と集団就職で上京した星野六子との出会い、芥川賞入賞を目指している駄菓子屋の店主、茶川竜之介と母親に捨てられた少年、古行淳之介、淳之介の母親の知り合いの石崎ヒロミとの出会いを中心に、家族でなかった人たちが日々過ごしていく中で葛藤や苦悩、争いを経ながらも、家族の心の繋がりを感じていくことが映画の主軸となっている。 第30回報知映画賞最優秀作品賞、第29回日本アカデミー賞最優秀作品賞など様々な賞も受賞している。
ALWAYS 三丁目の夕日の評価
ALWAYS 三丁目の夕日の感想
レトロ
まず映画のポスターを見たときに、心惹かれてしまった。よく昭和の映画館などに飾られているあのレトロなポスターを思わせるかのような風合い。たまらなく愛しくなってしまう。映画自体も、昭和を体験していない私であるが、昭和の人が一生懸命生きていた様を疑似体験できるようなものになっている。登場するキャラクターたちにも注目である。特に自分は売れない作家の茶川が好きである。本に囲まれた部屋・タバコの煙のあふれる部屋、ぼさぼさ髪と眼鏡。そういったことを想像するだけでわくわくした。吉岡秀隆のなよっとした雰囲気がまた味のある売れない作家を表現している。登場人物にも注目してみてもらいたい一本である。
心温まるノスタルジー。
昭和33年、日本の経済が発展し、人々の生活が大きく変化した時代。東京の下町に生きる人々の暮らしを描いた作品。まだ戦争のなごりもあるけれど、人々が明るく希望に満ちていた時代を、温かく描いている作品です。今の日本にはなくなってしまった、近所の人たちとおしゃべりして親しく付き合い、みんなで白黒テレビを見るような光景が懐かしいからこそ、この映画が受け入れられたのでは、と思います。主演している俳優さんたちが、みんな人情味溢れる演技で素晴らしいです。親子の付き合い方とか、この時代ならではのものだけれど、それがとても大事なもののような気がします。懐かしさと温かさ、そして切なさも感じさせる良い作品です。
どんな世代でも一緒に見て楽しめる
自宅でDVDを見ていたら、いつの間にか家族が集まってかなり盛り上がった作品。特に父はかなり興奮しており、「これ、ウチにもあった!」と。映画の舞台と同じように電車道から一本入った商店街で暮らしていた父にとっては、幼い時の記憶とほぼ同じ世界が広がっていたことが感動だった様子。その時代を知らない私にとっても、引き込まれる作品だった。やはりそれは見ていて安心できる程の役者さんたちが、しっかりと作り込まれた人間関係の中で生き生きとしていたから。特に茶川と淳之介の関係は、分かっていても感動してしまう。ともすれば、親子三世代でも感動して楽しめる貴重な作品。