深くて暗い映画
実話ならではのリアル感末期ガンで余命宣告を受けた妻に適切な治療を受けさせず、車で連れ回して見殺しにした罪で逮捕され不起訴処分となった夫の物語。思わず眉をひそめてしまうような酷い話は世の中にゴマンとあるが、きっとそれぞれ言うに言われぬ事情があって及んだことなのだろう。そんな当たり前といえば当たり前のことが素直に心に響く映画だった。人間関係の“溝”は、互いをより深く知ることによって埋まる。では罪とは一体、何だろう?この映画は当事者による手記が原作になっているようだが、そちらにはあまり興味がわかない。病気、借金、職を失うこと、生活に困窮すること。できることなら一生関わりたくないテーマの連続だ。そんな気の重くなるようなテーマも、美しい映像の流れを気軽に見守っているだけで、自然と主人公の心情に心を寄せることができる。あくまで“他人事として”。それが映画のいいところだと思うのだ。ただこの映画の場合...この感想を読む
2.52.5
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