害虫の評価
害虫の感想
塩田作品の魅力が一番楽しめる作品
『どこまでもいこう』で小学生男子の世界をおもしろ切なく描いた塩田明彦監督が、同じテーマで中学生女子の世界を暗く暴力的に描いたのが本作品です。どちらも思春期にさしかかった子供の、大人の世界へ踏み出す瞬間を切り取った作品ですが、この作品はよりダークサイドに傾いたつくりになっています。公開当時と、最近の2度観賞しました。公開当時は主人公の年代に近かったこともあり、はげしく自己投影して衝撃を受けていましたが、今見ると通過点を遠くから切なく眺めている感覚でした。かといって、よくある青春映画みたいに恥ずかしさを覚えることはなく、自分の中での評価はいい作品だということに変わりはありませんでした。監督の冷静な視点によるのかもしれません。塩田監督の作品の魅力は独特の闇にあります。ですから本作品は塩田映画の魅力を知るには一番いい作品だと思います。また、監督の一番いい時期の作品だとも思います。全国公開作品を...この感想を読む
辛いほど複雑
十代前半の頃のまだ今ほど売れていなかった頃の宮崎あおいが主演を務めています。話は複雑な家庭環境と弱さと依存心から小学校の時の先生と噂になり、母親も自殺未遂して学校に行かなくなり、街をふらふらして、学校では害虫と呼ばれるようになった少女の内面を描いた、結構重いテーマの作品です。「黄泉がえり」や「どろろ」の塩田明彦監督らしいおもくどろどろした作品です。居場所がないという、ありがちだけど普遍的な少女の不幸と、何がこうして少女を追い詰めたのかとか、けっこうかんがえさせられます。宮崎あおいの暗い演技が見れます。これがなんか結構いいです。今とは違う感じがして面白いです。
塩田明彦監督の最高傑作ともいえる
宮﨑あおい主演、その友人役に蒼井優、と今を駆ける女優の若かりしころの映画である。ここ数年の宮﨑あおいの出演映画には正直ロクなものがないし、この『害虫』の頃の存在感やフォトジェニックさが失われてしまっていて残念でならない。『害虫』の宮﨑あおいを観たら間違いなく天才だと思うだろう。物語は少ないセリフで進行していく。特に、宮崎あおい演じるサチにはほとんどセリフがない。しかし、表情と行動のみで「周りよりも複雑な経験をしてしまっている女子中学生」の心情を見事に体現している。塩田明彦監督の映画は説明過多なセリフが気になる事が多いのだが、『害虫』に関しては脚本を別の人が書いている事もあってか、少ない説明で、映像のみで心情を描く事に成功している。そういった意味で、塩田明彦監督の最高傑作ともいえるかもしれない。
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