海が嫌いなら、山が嫌いなら、都会が嫌いなら…、勝手にしやがれ!
ミシェル・ポワカール
理解が深まる映画レビューサイト
映画レビュー数 5,784件
勝手にしやがれは、1960年に公開されたフランス映画である。原案は、フランソワ・トリュフォー。監督・脚本は、「女は女である」「軽蔑」「気狂いピエロ」のジャン=リュック・ゴダール。音楽は、「マンハッタンの二人の男」のマルシャル・ソラル。出演者は、ジャン=ポール・ベルモンド、ジーン・セバーグ、ダニエル・ブーランジェ、ジャン=ピエール・メルヴィル。 ミシェル・ポワカールはマルセイユで車を盗み、追って来た白バイ警官を射殺してしまう。パリで金を受け取るはずだったが、渡されたのは小切手だった。アメリカ人のガールフレンドのパトリシアと束の間の時を過ごすが、警察の捜査がすぐそこまで迫ってきている。ミシェルはパトリシアに、小切手を現金にしたら一緒に海外に逃げようと言うのだった。 ゴダールの長編映画デビュー作であり、ヌーヴェルヴァーグの強烈な印象を世界に知らしめた作品である。 ジャン・ヴィゴ賞、ベルリン国際映画祭にて銀熊賞を受賞した。
毎日を泥棒などの犯罪で送っている男が、追跡された時にちょっとしたことで警官を殺してしまい、逃亡を企てます。それには知り合いが現金を手に入れなくてはなりませんが、その間に主人公はパリに留学してきているアメリカ人女子学生と寝たり、二人での逃亡を画策しますが、女の子は彼を振り回した挙句裏切ります。最終的には破滅で終わり形だけはストーリーや人物設定もあります。しかし前衛作品として名高いように、ストーリーはめまぐるしく変化し、映像も現代のハリウッド映画に慣れてるわれわれからすれば、とまどうことがあります。この映画をフランスとアメリカのメタファーで見る人もいれば、個人のあり方に結びつける人もいるでしょう。一つ言えるのは多様な解釈を許し、エンターティメントのようなものを期待するとがっかりするだろうということです。
ミシェル・ポワカール
冒頭のシーンで主人公のミシェルが観客に向かって唐突に喋るセリフ。主人公とこの映画の持っている破天荒さをわかりやすく表している。