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タイラー・ダーデン
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ファイト・クラブは、チャック・パラニュークの同名小説をデヴィッド・フィンチャー監督が映画化した。1999年10月6日アメリカ、1999年12月11日に日本で公開された。2000年第72回アカデミー賞にて「音響効果編集賞」にノミネートされた作品である。製作:アート・リンソン/アセン・チャフィン/ロス・グレイソン・ベル、製作総指揮:アーノン・ミルチャン、音楽:ザ・ダスト・ブラザーズ、撮影:ジェフ・クローネンウェスが担当。 エグゼクティブ青年のジャックは、心に問題を抱えていた。ある日、タイラーと名乗る男と知り合うが、些細なことがきっかけとなり、タイラーとジャックは殴り合いをしてしまう。その殴り合いの様子を多くの見物人が見ていた。そしてタイラーは…。 ナレーター(主人公「僕」):エドワード・ノートン、タイラー・ダーデン:ブラッド・ピット、マーラ・シンガー:ヘレナ・ボナム=カーター等がキャスティングされた。
時代の精査を受けて名作となった作品1999年アメリカ映画。久々に見返すと、現代を見事に予見しているそのテーマ性といい、どこを切り取っても痺れるようにスタイリッシュで格好良いフィルムならではの素晴らしい映像といい、ドライブ感のある編集や音楽といい、ダイアログの瀟洒さといい、ユーモアと純粋さの混じり具合といい・・・ああ、とにかく、20年近く前の作品とは思えないほど新鮮です。本当に良いものは決して古くさくならないものだと改めて実感します。芸術は時間の精査を受けて評価が定まるものだと村上春樹氏が言っていたけれど、この作品はそれをまさに象徴するような映画と言えるかもしれません。公開当初はあまりの暴力性に非難が集中した上、興行収入も低く、製作費が全く回収できなかったこの作品は、今ではあらゆる「歴代最高の映画ランキング」において上位に挙げられないことはないほど、多くの人に愛されている作品になっています。デ...この感想を読む
「ファイトクラブ」というとどのようなイメージだろうか?ある人は暴力的な映画というだろうし、ある人はカルト的人気を誇るカリスマ映画というかもしれない。今日はそのどちらでもなく「父親と息子」の話としてこの映画を考察してみたい。父親と息子なぜ「ファイトクラブ」が父親と息子の話になるのか?と思われるだろう。父親なんか一度も登場していない。(逆にそれがポイントだったりするが…)この点について考察する前にハリウッド映画の根幹にあるテーマについて触れておこう。それが「父親と息子」なのだ。あらゆるハリウッド映画にはこの考え方が浸透している。父親と息子の関係を描いていて、息子(主人公)が父親の愛を勝ち得るために奮闘したり、父親という存在を乗り越えて成長していく姿が描かれている。分かりやすい例としてジェームズ・ディーン主演「エデンの東」は父親に愛されない次男が父親の愛情を勝ち得るために奮闘する。さらにSF映...この感想を読む
デビット・フィンチャー監督の代表的作品でもある「ファイトクラブ」です。この作品はデビット・フィンチャーらしく、シニカルでエッジのきいた作品に仕上がっています。疲れたエリートをエドワード・ノートン、イケメンのチンピラがブラット・ピットと豪華俳優が固めます。豪華俳優がいっぱい出ると内容と伴わないということが多々あるのが常識ですが、この作品に関してはうまく配置されていて、良い味が出ています。この映画の見所としては、やはり巧みなストーリー展開に尽きます。もちろん、それに伴う演出もうまいと思うのですが、残る印象としてはなんともシニカルな衝撃的なラストシーンです。オススメの作品です。
タイラー・ダーデン
タイラー・ダーデンが主人公に向けて言った言葉。