あなたがここにいらっしゃらなくてひどくさびしいのです、ジャービー。
ジェルーシャ・アボット
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古典的な男女観昨今でこそ価値観の多様化などと言われるが、男女観、中でも年齢的なところにおいては、カップルでも夫婦でも『男性が年上で女性が年下』というのが王道だろう。本作の主人公兼ヒロインであるジュディとヒーローポジションにあたるおじさまもその関係だ。本書ではジュディの手紙を通して、年上の男性に憧れる女性の心理が読み取れる。一般的に年上男性の魅力としてよく挙げられるのは、成熟した精神と経済力である(当然個人差はあり、必ずしもそうというわけではない)。本書に登場する足ながおじさんはお金持ちで、慈善活動としての金銭的支援を積極的に行っている。これによって経済力はもちろん、彼が善意的かつ見返りを求めない優れた人格の持ち主であることの証明にもなり、年上男性の余裕と彼自身の崇高さが伝わってくる。顔の見えない相手という物語の都合上その容姿は度外視されているが、『憧れの年上の人』として全く違和感のない...この感想を読む
ジェルーシャ・アボット
毎月手紙を書いていた恩人が実は初恋のジャービー坊ちゃまだと知った主人公は最後の手紙にラブレターを書く。「おじさま」でも「ジャービー坊ちゃま」でもなく、「ジャービー」とよびかけるところがなんともロマンティックです。