絶対泣かないの評価
絶対泣かないの感想
働く理由
真面目であればあるほどバカを見ると思う。結局は柔軟であることが必要なのだ。それが仕事を続けるコツなのではないだろうか。ガチガチに硬い真面目さは、仕事をしている方も、頼む方も、疲れきってしまう。銀行員の「私」。与えられたルーティーンワークを真面目にこなしていても、こなしているだけ。ノルマも、こなしているだけ。私にはそのように見える。もしかしたら、「私」の顧客には安心感を与えても、「私」自信には虚しさが積もっているのではないだろうか。毎日毎日同じことを繰り返し、ただこなしていく。お金をもらうことが働く理由かもしれないが、それだけでいいのだろうか。「私」が友人から買わされた数々の商品。その中に答えがあると感じる。結局は、真面目にノルマをこなしても、返ってくるのはこんなガラクタだけなのだ。真面目に、真面目にノルマをこなして得たものは、なんだったのだろう。本人も、きっとそう感じているはずである。...この感想を読む
15種類の仕事に就く、女性達の短編集
様々な15種類の仕事に就いている、女性たちの話の短編集です。その明るく、前向きな姿は、読者を元気づけてくれます。一話一話が短く、完結しているので、空き時間などに読む本に良さそうです。あとがきに、「どうして働いているのか。 何が欲しいのか。 それで、あなたは、いったいどうしたいのか。 どうしてもらいたい、のではなく、どうしたいのか。」と書いていますが、この短編ひとつひとつが、それを主軸に、描いています。人は、お金の為だけに働いているのではない、という事がわかる短編集です。個人的には、前半6話(フラワーデザイナー、体育教師、デパート店員、漫画家、営業部員、専業主婦)が好きですが、後半も、良い話が目白押しだと思います。ハッピーエンドが多いので、読んだ後、なんとなく優しい気持ちになれる本です。