なにもかも手紙に書いているようで、そこにひそむ先生の暗い欲望
高校の教科書で読んだ思い出高校を卒業してから十年以上経って、夏目漱石の小説を読むようになり、その一冊をどこかで読んだ覚えがあるなと思いだしたのが、高校のころ教科書で目にした、この「こころ」。著者が夏目漱石ということも題名も忘れていたけど、内容はやけに鮮明に覚えていた。それにしても改めて全体を読んで、教科書に載っていたのが、極々一部で、しかもかなり後半だったことに驚かされたもので、でも、妙に納得もした。当時は、一体どういう話なんだと、今一内容を掴みかねたものだから。教科書には一応それまでの、あらすじも書いてあったけど、そもそも主人公と、謎の多い先生との出会い、そのつきあいがあっての、手紙の内容なのだから、そりゃあ、なんの話だともなる。 たしか、Kが下宿先のお嬢さんに気があるような様子が見られはじめてから、自殺するに至るまでの内容だったと思う。そのとき課題で、Kの自殺した理由を考えるものがあっ...この感想を読む
3.53.5
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