グルメ無縁の人情うどん話。 - 峠うどん物語の感想

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峠うどん物語

4.004.00
文章力
4.50
ストーリー
4.50
キャラクター
4.50
設定
4.00
演出
4.50
感想数
1
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グルメ無縁の人情うどん話。

4.04.0
文章力
4.5
ストーリー
4.5
キャラクター
4.5
設定
4.0
演出
4.5

私は正直、重松清は苦手な作家でした。 量産される作品はどれも読みやすく、人の心に入り込み、つかみ、ひきつけるすべがこれでもか!となされ、そういう「重松節」みたいなものに、生理的な嫌悪感がありました。 筆力は高く、間違いなく筆者は上手いのです。 ですが、それゆえに、なのか、旨さが鼻につく…。 そんな印象がなかなかぬぐえない。 でもやっぱり上手いし、おもしろいな、と思わされてしまいました。 市営斎場の目の前にたつうどん屋を手伝う孫と、祖父母と、父母の話。 自然、話の中心は「生死」となっていきますが、そのとらえ方、提示の仕方がハンパなく豊富です。 うどん屋の頑固ジジイの描写も、ほんとうに頑固で。 食べ物の出てくる小説は、現在、あふれすぎるほどにありふれていますが、この小説のうどんは、「食べたくなる」ようなグルメ小説のものとは無縁です。 うどんをすする人、つくる人、そんな人達が、話の中心にブレずに存在する小説でした。

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