斬新な発想の新・ロミオとジュリエット
シェイクスピアのロミオとジュリエットは世界中で舞台化されており、バレエ組曲に至っては、チャイコフスキー版とリムスキー・コルサコフ版が二つとも有名です。あまりにも有名な古典演劇を斬新な発想で製作し、今までの常識を覆したのがレオナルド・ディカプリオ版のロミオとジュリエットです。 舞台は無国籍化したイタリアのヴェローナ。服装はビンテージのアロハシャツにジーンズ。くわえタバコ。一見すると街のチンピラみたいですが、れっきとしたモンタギュー家のロミオ。ジュリエットは現代的な装いだけれども、どこかクラシカルで清楚な雰囲気のクレア・デーンズ扮するキャプレット家のジュリエット。やっぱりバルコニーで愛を語り合うシーンは健在です。基本的にロミオとジュリエットの内容を知っている人は現代版の設定に「え、そうきたの?」というシーンが満載です。ちなみに英語の台詞を注意して聞くと、全員イギリス発音で、原文の台詞です。たとえばロミオが自分の父親に今生の別れを告げるシーンでは、Father,Farewell(父上、おさらばであります。)と古い言い回しです。何もかもを新しくしたわけではなくて、台詞は原文のままなのが見ていてものすごく嬉しかった気がします。古典をそのまま見るのは苦手だけど、この映画で予習をしてからオリビア・ハッセー版を見るのもいいと思います。
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