キャストが最高!なラブストーリー~前編~
生田斗真が素敵すぎる
原作マンガでも矢野はモテモテ男子・そしてどこが物憂げな表情を持っている人…そんな矢野を見事に表現してくれているのが生田斗真くん!もうこれは最高でした。もちろんそのイケメンフェイスだけでなく、あの哀愁あふれる表情が…山本奈々を想い続けいているのがよくわかります。大好きだった人。でも自分を裏切って死んでいった人。どこに怒りをぶつけたらいいのかわからない。わからないけれどもう二度とこんな気持ちを味わいたくない。だから殻に閉じこもって、心はどこか寂しいけれど、自由に生きていく。そんなこじれ男子をうまく演じておられます。誰からも好かれたって、自分が好きになった人には逃げられる。そういうトラウマが深く深く心に影を落としているんですよね。あるよなーこういうの。なんか自分悲劇の渦中にあるから誰も入ってくんなみたいな感じ。プライドが高い人ほどこういう思考になりやすいと思います。だって辛いんだもん…でも辛いからって、俺人気あるけど実は影あるんだよみたいなダークな部分見せてきて、気を引いているだか遠ざけているんだかわからない…ちょっと女々しいですよね。でもちゃんと人から好かれることを平気でできてしまうという…困った坊ちゃんです。そこに母性をくすぐられて惹かれる女子は絶対たくさんいるわけで、なんで高橋がよかったかというとちょっと謎なところもあります。天然で純粋で、計算高くなくて、奈々と正反対なのが良かったのかもしれないですね。
矢野がまさか山本有里と…っていうのはかなりドン引きしましたけど…衝撃的なところの表現がうまいですよね。原作者の小畑友紀さんは他にもかなりディープな恋愛作品を書いているんですが、どれも主人公のヒロインがまっすぐで、ダメ男を最高の人に仕上げていくストーリーなんですよね。「僕等がいた」は小学館漫画賞も受賞してるくらい、考えさせられることが多いです。
吉高由里子さんの高橋はイメージにぴったりだった
ヒロインである高橋は童顔設定。それを考えると、小さいときからかわいらしく、成長して大人になってもかわいさを残している吉高さんのフェイスはまさにぴったりでしたね。ちょっとおどおどした感じのしゃべり方もイメージ通りです。
そんな高橋が出会う矢野。テストの散々な結果に嘆き屋上にやってきた高橋。しかしそこには答案用紙を紙ヒコーキで飛ばしている矢野がいた…という何とも少女漫画的展開。クラスの人気者でムカつくやつ。勉強もできてスポーツもできる。でも確かにいい人で優しい男の子。そりゃー単純に惹かれて当たり前ですよ。女子って、小さな気遣いに感動しやすいじゃないですか。男にとっては本当にどうでもいいようなところで、自分にだけ優しいのかなとか期待してしまう生き物なんです。よくある女子像って感じで、好きな人と一緒にいたいっていう正直さとか、ピュアな反応がよかったですね。矢野の部屋で未遂に終わったときの様子も微笑ましく、まさに幸せだからこその悩みを感じるようになっていくというか。ラブストーリーの胸キュンがこの前編にはぎゅっと詰まっています。やっとの思いで付き合えたときっていうのは、見ているこちらも嬉しくなるというか…矢野も高橋だったらって思ったんでしょうね。こういう子なら俺を裏切らないって思えたのでしょう。ってだいぶ上から目線な当たりちょっとイラっとしますけど…これだからイケメンってやつは信用ならない(笑)。
合唱の練習で矢野と高橋はぐっと距離を縮めて付き合い始めるってことになっていますが、大人女子がこれを見ると歌を真剣に歌う姿はちょっと笑えます…公衆の面前で高橋を助ける姿もキュンとするよりはちょっと笑えちゃいます…ここだけなんか情景合ってない感じがしますね。
竹内くん…
どうしてこう…絶対に高橋のこと、全部わかってくれてる人に限って選ばれないんだろうなって思います。爽やかで、優しくて、話を聞いてくれて、アドバイスをくれて…そして好きな人からは選んでもらえない。優しすぎるのもよくないんですよね。だってそれだと絶対女子の友達と変わらないですもん。男の強引なところとか、強いところ、そしてどうしようもなく母性をくすぐるところとか…そういうのがないとダメなんだよ竹内くん!モトのことも、七美のことも、どっちも大好きなんだよね…ダメ男に弱いとか、女子か!って思うし、別の誰かを好きでも俺には君を助けることができるから、とか言ってそばにいる決心をするとか、男前なのかそうでないのかがわからないよ…男らしさの中の弱さとか、弱さの中にある芯の強さとか、そういうギャップに日本人ってホント弱いと思います。
若さも幸せも絶対に永遠じゃない
これ、だいぶ厳しいこと言っちゃってますよね。でも実際そうだからな…深い言葉です。せっかく付き合った矢野と高橋。でも矢野の母親が父親と離婚して東京へ行くことになってしまったのです。いやー遠距離恋愛はきついって。そりゃはじめのころは愛があるので大丈夫です。駅のホームで抱き合うシーンなんかね…愛があれば何でもできそうな気持になってくるよね。長電話だってなんだってできる。そして長電話で会いたいとか言う。
でも矢野のほうは母親がそれどころじゃなくなっちゃって…バイトして家事して勉強して…高橋と電話ができなくて、でも自分の状況なんてなんか伝えられなくて…ってここで思うんですけど、しゃべれよ!っては思いましたね。絶対支えあえたはずですよ。辛いこと、誰か一人くらいには話したいってときに助けになってくれるのが恋人ってやつじゃないですか。だからここではまだ矢野って高橋のこと美化し過ぎっていうか、汚したくないと思って大事にしすぎっていうか…それに自分のプライドも高すぎる気がします。本当にダメ男。相手が受験生で大学受験を控えてるから邪魔したくないとか、いやいや、話してくれないことがどれだけ後々ダメージになるかわかってなさすぎる!電話で全部話してれば、こんなに苦しむこともなかったのに!!
そんなこんなで矢野と連絡が取れなくなったところで前編終了
前編はもうまさに幸せの絶頂というところから、なぜか矢野の消息が不明となったところで終わりです。原作でも長い作品だし、そしてかなり人気の高かった作品なので、わざと前後編に分けたのだろうと思うんですが、これは確かに分けておいて正解だったと思います。もう絶対後編見よう!!って思えるところで物語が途切れてますからね。矢野の東京での生活はどんなものだったのか、そしてどうして矢野は連絡できなくなってしまったのか、二人はこれからどんな結末を迎えることになるのか…気になるところがありすぎる!というところで終わっているので。しかも、映画の冒頭や終わり際には、必ず二人のその後の時間軸でしゃべっているシーンが組み込まれているので、いったいどうしたんだ?あー早く見たい!と思わせるのがうまいです。6年消息を絶つとか完全に犯罪レベルでもう死んでるんじゃないかってすら考えると思うんですけど、そこらへんは少女マンガファンタジーで多めにみるしかありませんね。警察届けて消息探してもらったら一発だろうってあたりはしゃべらないでおこうと思います。ロマンがなさすぎるので…
前編では甘酸っぱい青春の恋の成就、そして遠距離恋愛の始まりまでが描かれました。果たして後編はどうなることやら…です。
- あなたも感想を書いてみませんか?
- レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。 - 会員登録して感想を書く(無料)