女子の夢・・・二人のいい男に愛される - 僕等がいた 前篇の感想

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僕等がいた 前篇

3.503.50
映像
4.00
脚本
3.50
キャスト
4.25
音楽
4.13
演出
3.25
感想数
4
観た人
6

女子の夢・・・二人のいい男に愛される

4.04.0
映像
4.0
脚本
4.0
キャスト
5.0
音楽
3.5
演出
3.5

目次

なんと言っても、矢野!!

主人公の高橋(吉高由里子)が、いい男二人からモテまくります。まさに、女子の夢。少女漫画的世界観。

いい男その一は、矢野(生田斗真)。高校のクラスの女子の三分の一が矢野を好きになるという。イケメンで、数学のテストで100点取るくらい頭もいい、運動神経もいい。そして、矢野は人を引きつける魅力があり、矢野はみんなの笑顔の中心にいる。茶髪で崩れた感じも、進学校では他にいないタイプ。文句なしの、王子様。

ところが、この矢野は心に深い闇を抱えていた。

女子なら誰でも、「矢野君の心の闇を、私が照らしてあげるわよ」と思うはず。

素直なお嬢さんの主人公・高橋が矢野に恋する気持ちが、よく共感できる。

おそらく高橋の周りには、今まで矢野のようなタイプは存在しなかったのでしょう。

温かい家庭でぬくぬくと大切に育てられてきた女の子が、目の離せない男子に出会ってしまったのです。

しかし、矢野役の生田斗真がかっこよすぎるために重要視されないかもしれませんが、ちょっと捨てておけない部分をこの矢野という男は持っている訳です。

元恋人が亡くなった後、その妹と関係を持ってしまうなんて。

亡くなった人にも、生きている妹にも、失礼千万ではありませんか?

姉の代用だったのか、同情だったのか、悲しみの共有のつもりだったのか、前編ではそこまで描かれていません。いずれにしても、それはどんな理由があろうとも、だめでしょ!

こういう危うさが、この矢野という男の弱点であり、また女性を引きつける所でもあるのですね。

そして竹内!!これもまたいい男。

矢野の親友の竹内君は、正統派のナイスガイ。男気があって包容力ありまくり。

高橋のことが好きなのはバレバレだが、矢野にちゃんと筋を通す。何より高橋が矢野にゾッコンなのをよく分かっていて、強引に手を出したりしない礼儀正しさ。竹内君は、「息子にしたい青年」または

「娘の彼氏にしたい青年」ナンバーワンって感じです。

でもでも、高橋さんには竹内君の思いは届かない!!いや、届いてるはずなのですが、スルーされてしまう。何人もの女子が、「高橋さん、矢野よりも竹内君にしておきなさい!!」と心の中で叫んだはずです。

しかし、礼儀正しすぎて、あと一歩及ばないのがおしい。

高橋が矢野とごちゃごちゃしている隙間に、ちょっと強引に「俺はおまえが好きだ。俺がおまえを守る」って叫んでいたら、違う結末が待っていたかもしれないのに。

それでも、フェアープレー精神を忘れない竹内君が、素敵すぎ。

矢野の東京への転校が決まってからも、「矢野がいなくなったからって、俺は高橋に手出ししない。決戦は東京だ。三人で東京で会おう」という正々堂々ぶり。

こんなできた男子高校生、しかも高2、現実ではあり得ませんよね。でもかっこいい。

ずるいけど、そういうのあるよね、高橋さん。

高橋さんは、矢野と竹内といういい男二人に愛され、うらやましい限り。

基本的には、矢野と両思いになった高橋さんは、ラブラブ路線まっしぐら。

しかし、矢野の過去が気になったり、矢野を信じられなくなったり、そういうときに、絶妙のタイミングでフォローしてくれるのが、竹内君なのです!!

高橋さんは竹内君の優しさに甘え、竹内君に励ましてもらいながら、最後は矢野の元に戻る。

なんとまあ、贅沢なご身分ですこと。

ずるいけど、こういうのってあるよね。

矢野はときめきを与えてくれる存在で、守ってあげたい危うさもある。

一方で竹内君は、つかれた自分をいやしてくれる、優しい存在。

この両者を手に入れている高橋さんが、うらやましい!!

「だって竹内君はいつも私の味方をしてくれるけど、そういう仲じゃないし。別に告白されたわけじゃないしね。私が好きなのは、矢野よ」なんていう、高橋さんの心の声が聞こえてきそう。

映画の世界だからまあいいけど、これが現実に同じクラスにこんな女子がいたとしたら、そりゃまわりの一般女子達はおもしろくないでしょうね。

で、両思いになった矢野と高橋ですが、最後に矢野の転校という試練が待ち受けている。

高橋は上智大学目指して受験勉強に励むと決意する訳ですが、これもうらやましいご身分です。

高橋の親は大学で上京するのを簡単に許してくれたのね、しかも私学。生活費と学費、かなりの仕送りが必要になるよね。そもそも、最初のシーンで実力テスト8点だったのに、大丈夫か?

いやいや、きっと親切な竹内君が、手取り足取り勉強を教えてくれるはずよね。

矢野が釧路駅から旅立つシーンでは、二人で泣いていたけど、でも考えてみれば一年と少し受験勉強がんばれば、東京で楽しいラブラブ大学生活が待ってるんでしょ。

だったら、いいじゃないの?

もしくは、矢野がいなくて寂しくて寂しくて、竹内君に慰めてもらい、そのうち恋心が生まれたりするのかな?いや、それはないよね。

どちらにしても、高橋と矢野、竹内、この三人の関係が東京でどうなるのか、興味津々ですね。

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4.04.0
  • betrayerbetrayer
  • 97view
  • 3020文字
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原作が好きだっただけに。

原作の僕らがいたの大ファンだっただけに、かなり残念な感じが否めない作品でしたー。キャストがまず年齢的に無理があるだろ!と思いました。生田さんも吉高さんも美男美女でそこは良かったのですが、なんか高校生ではないかな!?と思いました。原作では、ナナさんのもっと小悪魔ッぷりがしっかり描かれていたり、山本さんと矢野の過ちや、海で、ナナさんの残像がフラッシュバックしてしまうシーン←結構ここは重要なシーンだと思っていて、見事に映画ではカットされていて、残念でした。 前編最後の電車のシーンは、内容がわかってながらも泣けました。やっぱりこのシーンは良かった!ただ、原作では、過去の矢野の思い出がフラッシュバックするように描かれていたのですが、それをやって欲しかったなぁ。。 とか、原作に思い入れがありすぎると、いろいろ残念に感じてしまうのですが、 映画として拝見すれば、とても爽やかな青春映画ではないかなーと思...この感想を読む

2.52.5
  • しましましましま
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  • 403文字

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