Love Letterのあらすじ・作品解説
岩井俊二監督、脚本のLoveLetterは1995年に公開した日本映画。誤配された恋文から始まる雪の小樽と神戸を舞台にしたラブストーリー。 モントリオール世界映画祭で観客賞、第19回日本アカデミーで優秀作品賞、第6回文化庁優秀映画作品賞など数々の賞を受賞した作品。 1999年には韓国でも公開され大人気を博した。 ストーリーは神戸に住む博子が山で遭難した婚約者の藤井樹の三回忌の帰りに彼の母、安代に誘われ、彼の中学校の卒業アルバムを見せてもらう。忘れられない彼への思いからアルバムに載っていた、彼が昔住んでた小樽の住所にあてもなく手紙を出す。すると数日後、来るはずのない返事が来た。博子が送った住所は今では国道になっていて、近くの住所に藤井樹と同姓同名の女性の藤井樹にその手紙は届く。樹は図書館で司書をしていましたが、風邪をこじらせている中、変な手紙に付き合っていたのです。やがて博子と樹の奇妙な文通が始まっていく。
Love Letterの評価
Love Letterの感想
臭くない、味わい深い映画
しみったれた葬式にしないしみったれた葬式にしないで、淡々とした葬式シーンにしているのがこの作品で、私がぐっと惹かれたポイントである。まず、冒頭の幻想的な雪の中での葬式シーンは渡辺博子があまりにぼーとしており、周りの美しい雪の景色に溶け込みすぎてしまい、婚約者を亡くしたというより、口は悪いが頭がただ弱い子のように見えるだけであった。さらに、義母の様子も淡々としていて、果たしてこの葬式は誰のものだったのだろうかと疑問のまま冒頭のシーンは過ぎていく。しかし、この演出によって後の、博子と義母が葬式から2年後に二人でアルバムを見ながら泣くシーンが、ぐっと効果的に観る者を引き込んでくれることになる。中学生の子に対して嫉妬してしまう博子の様子をどやしつつ、そんなに息子を思い続けてくれていることに堪えられなくなってしまう義母。そして、それにつられ、今まで我慢していたものが一気に噴出する博子。思わず観て...この感想を読む
図書カードに秘められた思い
中学時代くらいまでって、名前だけ一緒。とか苗字だけ一緒。ってだけでもなんとなく嫌で、同じクラスとかになったらどうしよーってその子に罪は無いのに思ったりするものです。この映画は、性別が違うのに漢字も全て一緒の同じ名前『藤井樹』がもたらす、とっても気持ちが温かくなるラブストーリーです☆好きだからイジワルしちゃうっていう青春時代の甘酸っぱい恋愛から、大人になってから知る、“藤井樹”のその後。 そして、中学時代には知る事のなかった樹くんの思いが、図書カードを通じて最後樹ちゃんに伝わります☆ そして、樹くんの婚約者と樹ちゃんの不思議な文通もこの物語にとっても重要なポイントです♪とても素敵なお話でしたー!
イメージと少し違いました
亡くなった恋人に届くはずのない手紙を出した主人公ですが、その手紙の返事が届いたことによって恋人の過去を探していく、というストーリーです。中学生のころの甘酸っぱい思い出がよみがえってくるような映画です。岩井俊二作の小説を先に読み、そのあとに映画を見たのですが、少しイメージとちがっていたので、この評価とさせていただきます。小説では最後の「お元気ですか?」シーンは号泣だったのですが、映画では結末を知っていたからなのか、中山美穂の演技力のせいなのか、「泣けるシーンだから泣こう!」とがんばって泣いてしまった感じでした。ま、結局は映画でも泣いたんですが・・・。