犬神家の一族のあらすじ・作品解説
犬神家の一族は、横溝正史の長編推理小説。横溝正史の代表作である「金田一耕助シリーズ」のひとつである。「八つ墓村」と並んで映像化されることが多い作品である。また、八つ墓村と並んで、金田一耕助シリーズの代名詞とも言える作品である。 信州の財界の大物である犬神佐兵衛(いぬがみさへえ)が莫大な財産と異様とも言える内容の遺言書を遺して死亡したことに端を発し、連続殺人が起こる。その事件を解決すべく名探偵・金田一耕助が推理に乗り出す、というあらすじである。 作中に登場する人物である犬神佐清(いぬがみすけきよ)の異様なゴムマスク姿や、彼が殺害された時の、湖に逆さまに突き立てられた死体の様子などが話題を呼んだ。本作をモチーフにしたと思われるキャラクターや演出は、アニメやゲームやドラマなどで数多く存在している。 この小説の映像化作品で最もよく知られているのは、1976年に公開された市川崑監督、石坂浩二主演の映画である。
犬神家の一族の評価
犬神家の一族の感想
リメイクされてもやっぱりこの作品が一番いい
金田一シリーズではこの作品が一番観ている回数が多いかもしれません。リメイクされましたが、この作品独特の性会館はやはりこちらの方が描き出されている気がします。やはり一番印象的な野は助清のあの白マスクと声。戦争で顔に大けがをしたという設定であの白マスクをしているのですが、この白マスクが実はすごい鍵を握っているという話。当主である犬神佐兵衛が亡くなり、その莫大な遺産を誰がどのように相続するのかで周りでいろんなことが起こるのだが、その金を巡る人間の汚さがよく描かれているし分かりやすい作品です。次々に殺されていく人の死に方も印象的でした。菊人形に切られた首をのせられていたり、屋根上で殺されたり。そしてなんといっても湖に頭から突き刺さっているあの足はとても印象でした。
有名なあのシーン。
横溝正史の小説、金田一耕助シリーズを巨匠市川崑監督が映像化した1作目。富豪の犬神家当主の死後、遺産をめぐって一族の間で争いが起きる。そこへやってきた名探偵・金田一耕助の推理は・・・金田一耕助は、歴代に様々な俳優さんが演じていますが、やはり石坂浩二さんの印象が強いです。ちょっととぼけた感じや、だらしない服装が良い味を出してます。ストーリーは旧家で起きる連続殺人という、王道の展開ですが、監督独特の斬新な演出が、他の作品とは一線を画しています。特に、有名なさかさまになった死体のシーンは、忘れられません!初めて見たときは、衝撃を受けました。日本映画史上に残る名作です。
古典ならではの恐怖
横溝正史の長編推理小説『犬神家の一族』を原作として映画化された作品です。『犬神家の一族』はこの作品を含め、何度も映画化、ドラマ化されており、また、強烈な設定ゆえにパロディー的にもあちこちで用いられています。この映画は、1976年に撮影されたもので、映像技術は現代の作品に比べると稚拙な面も多々あります。しかし、妙な迫力のある生首など、横溝正史作品らしいおどろおどろしさがインパクトたっぷりに伝わってくるあたり、さすがの一言です。物語としても、謎の多い成り上がりのお金持ちの遺産相続争いを描き、肉親だからこその深い憎しみや嫉妬が、恐怖を掻き立てます。一方、見るも無残な顔になっていても、慕っていた佐清の真偽を一番に確かめようとする珠世、珠世を助けるため匿名で電話する佐清といった、若い2人の愛あふれるシーンもあり、結末にほのかな幸せを漂わせているところも素敵です。