四畳半神話大系の世界感!
この小説は読み始めてまず思ったのが読みやすい!
テンポ良く話が進んでいて、気が付くと森見さんのワールドにどっぷりやられました。
引き込まれるような独自の表現・擬音表現「桃色~」や「ぽぅん」等もその魅力の一つ。何せキャラクター達は超が付くほど各々個性に満ち満ちているんです。
主人公の「私」は大学生。あぁ、学園ものなのね。ぐらいに捉えているとえらいギャップといいますか、あまりにもハチャメチャでインパクトを静かに受けます!
物静かで陰鬱そうな「私」であり、「黒髪の乙女」に恋する不毛な学生であり、「ゴキブリキューブ」を扱う。あんなエキサイティング尚且つクレイジー、謎のポテンシャルをもつ大学生、他になかなか見ません(笑)
そして、この作品は同著者の『夜は短し歩けよ乙女』にもチラリチラリ登場人物が出ています。
歯科にお勤めの「羽貫さん」とかね、こちらも四畳半神話大系と同じく作品の舞台は京都とあり、実在する鴨川デルタ、下賀茂神社、古本市、京都大学時計台等。想像するも良し、現地に行って楽しむも良し。併せて2冊読むと数倍。そんな読むだけではない楽しみ方ができた小説です。
『森見登美彦のぐるぐる案内(新潮社出版)』が出ているのを後に知り、それをを持って行けなかった事を悔みました。何故ならば四畳半神話大系・夜は短し歩けよ乙女をはじめとするその他小説についても書かれていたりするので、私的にはただものではないガイドブック、といった印象があったので。
最後に。私はこの小説との出会いは紹介を通じてでした。ひょんなことからひょんな先輩から。
絶妙な「おもちろさ」故に、言葉で伝えるよりも感じるような小説でした。
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