ミッキーマウスの憂鬱のあらすじ・作品解説
ミッキーマウスの憂鬱は、2008年8月に新潮社から出版された松岡圭祐の小説である。この小説の舞台はあの有名な東京ディズニーランドであり、ここでアルバイトとして働くことになった21歳の青年が主人公である。ミッキーマウスの着ぐるみが紛失してしまったという話を主体に、さまざまな個性のキャストと主人公が関わり合っていくことになる。アルバイトをしていく中での主人公の成長が楽しめる作品である。ディズニーランドの知られざるバックステージを物語を読み進めながら知ることができる。しかしこの小説の出でくる設定はノンフィクションもあれば当然フィクションもある。しかしノンフィクション部分は作者の松岡氏の緻密な取材をもとに書いており、フィクションと織り交ぜられていても全く違和感なく読むことができる。 ディズニー好きの人にも期待を裏切らないような作品であり、また全くディズニーのことを知らない人でももちろん一つの小説として十分楽しめる一冊である。
ミッキーマウスの憂鬱の評価
ミッキーマウスの憂鬱の感想
タイトル買いの一冊
ディズニー好きなことから、タイトル買いしてしまった一冊です。最初の方はぱっとしない主人公になかなか、ついていくことができずもやもやしながら、読み進めましたが、後半は急展開で主人公の意識の変化や正義感が気持ちよかったです!夢と魔法の国を支えるのは、現実の柱があってこそ。あくまでもフィクションと作者は述べていますが・・なにより自分自身を第三者目線でみることができて、驕りや、おかしな自信を持っていないか、登場人物達に問われているような気持ちになりました。読み終わった後はディズニーの魔法の力か、爽快な気分。30周年のディズニーへ出かけたくなりました。キャストの笑顔が見たい!!
これを読んでもなお夢の国は夢の国。
絶妙な作品タイトルからもおわかりの通り、本作品はファンタジーです。本当の本当は中の人などいない!! …のですが、「もしいたら」の体で書かれたフィクション。所謂「キャスト」達の、決してゲストには明かされることのない舞台裏でのあれこれ。オーディションや、アルバイト 対 一割しかいないという社員との確執。あの子やこの子の中の人の、誇り。ゲストに見えているキャストだけがキャストなんじゃないということも。しかし知らなかった、というか知り得なかった世界を知るのは楽しいですねー!完全に怖いもの見たさで、ドラマ化とかしたらちょっと見てみたい。着ぐるみ然とした抜け殻のあの子やその子を見るのは忍びないけど見たいというか…!(笑)
偽の「夢の国」へようこそ!
とても面白いフィクションだ。冒頭からエレクトニカルパレードの曲が流れる。松岡圭祐さんの想像力というか、妄想力に読者が現実か非現実かわからなくなってしまう。不思議な感覚に陥ってしまう作品だ。舞台はディズニーランド。誰もが1度は行ったことがあるだろう「夢の国」という、読者先入観を巧みに生かしている。読んでいる最中に頭の中にパークマップが浮かんでくる。ここを入るとこうで、あそこにはあーでって。松岡さん建国の夢の国が頭の中に出来上がる。それも、本物の夢の国と作中の夢の国がうまーく混合されたものが……。フィクションなんだけど、実際そうなんじゃないか?と疑ってしまうこともある。興味のある方は、ぜひ松岡さん建国の夢の国に遊びに行ってみてください。