芸人交換日記のあらすじ・作品解説
芸人交換日記とは2009年10月より「quickjapan」にて連載された放送作家の鈴木おさむによる小説作品である。2011年3月に太田出版より単行本が発行されている。 本作品は売れないお笑いコンビである主人公二人の日常の苦しみと喜びを交換日記といった形で描いた作品である。尚、作者である鈴木おさむは普段から夫婦で交換日記を書いていると公言している。 2011年と2013年に舞台版が上演されており、2011年版ではオードリーの若林正恭が主演を務め、脚本と演出を本作の作者である鈴木おさむ氏が務めた。2013年版はそれぞれの公演でキャストが異なり、話題になった。 本作は漫画や映画及びテレビドラマなど様々なメディアミックスが行われ、何れも多くの人に高く評価されている。映画版は「ボクたちの交換日記」といったタイトルで映画化され、監督は芸人である内村光良が抜擢され、2013年3月に公開された。主演は俳優の伊藤淳史と小出恵介が務めた。
芸人交換日記の評価
芸人交換日記の感想
芸人という職
お笑い芸人にとっての相方というのは実に不思議な存在だ、と一視聴者に過ぎない私でも思う。友人同士から始まったのも、夫婦っぽいのもいる。何年組んでいても他人行儀に毛が生えたような関係も、自他ともに認める親友の中の親友である間柄も。で、どれが正解とかがないのがこの世界なんだろうな、と。概ね血縁関係のない相手と、運命共同体になるということ。この作品に出てくるのは先行きの危ういコンビ。交換日記を始めるったって、その温度差ときたら。芸人という職業は、本当に不安定なものだけれど、絶対に売れないという確証なんてないのもまた事実。このコンビがどんな決断で人生を切り拓くのかを見届けて下さい。
夢を持ち続けること、夢を諦めること。
売れないお笑いコンビ、イエローハーツを主人公に交換日記形式で描いてあります。日記形式なので断片的な記述なんですが、実際の芸人さんなども登場して、情景がよく目に浮かびテンポ良く一気に読めました。そして終盤は涙がボロボロとまりませんでした。成長した娘出すのは反則ですね。夢を持ち続けること。夢を諦めること。どちらを選んでも、自分の人生。結局はそれを自分で決めるのがすばらしく、立派なことなんだというのをあらためて思いました。読んだ後に夢を諦めたころの自分を思い出しました。そのころに戻って「いやいや、がんばったよ」と頭をよしよししてあげたくなるような、そんなあたたかい気持ちになりました。