夢を売る男の評価
夢を売る男の感想
強烈な毒に注意。
作家志望の人は読んではいけない！と言うとおり、大暴走という言葉がふさわしい内容でした。逆に本気で作家を目指している人は、読むべき本だと思います。東野圭吾氏の「歪笑小説」を彷彿とさせる、出版業界の裏側。細かいところにリアリティ満載です。自費出版にまつわる内容で読み始めは詐欺出版ビジネスのいやな感じの本かな？と思ったけれど、読んでいくにつれて、主人公牛河原に対して「夢を売る男」そのものだと思ってしまいました。作家のことをこきおろしているところでは、「・・元テレビ屋の百田何某みたいに、毎日全然違うメニューを出すような作家も問題だがな・・」そして登場人物荒木が「馬鹿ですね」ご本人の自虐ネタで笑えました。毎回違うメニューを出す百田さん今後も楽しみにしていますよ！
travailler
一気に読んでしまいました。
人間の心の奥に隠された様々な欲望を、ジョイント・プレスという形で出資させる巧妙な手法に妙に感心してしまいました。全く文才のない私にとってはとても考えられませんが、文字を書く事に自信がある方なら夢に馳せてしまうでしょう。また、この物語の中心人物である牛河原編集部長の出版界に対する想いも垣間見えて面白いです。たぶん、素晴らしい本を作ろうと出版業界に就職し、現実の中で失望してしまって斜に構えて詐欺まがいの仕事をしてしまっている。でも、やっぱり素晴らしい本を世に出したい想いは、常に心の奥底にしまっているものですね。とても、興味深く面白く読ませて頂きました。
