日露戦争の英雄兄弟 - 坂の上の雲の感想

理解が深まる小説レビューサイト

小説レビュー数 3,368件

坂の上の雲

4.834.83
文章力
5.00
ストーリー
4.83
キャラクター
5.00
設定
5.00
演出
4.83
感想数
3
読んだ人
9

日露戦争の英雄兄弟

5.05.0
文章力
5.0
ストーリー
5.0
キャラクター
5.0
設定
5.0
演出
5.0

日露戦争で陸軍騎兵隊を作り上げた秋山好古と海軍で活躍した秋山真之の物語です。

日清戦争後、大日本帝国はこれまでにないほどの強敵であるロシア帝国と戦うことになりますが、兄好古は対コサック騎兵を弟真之は対バルチック艦隊戦をそれぞれ考案し実際に勝利をおさめます。

2人の凄さは教科書に沿って物事を進めていったわけではなく、敵を研究し尽くし自分達で教科書を作りあげて戦闘に勝利したところにあると思います。

兄好古に関しては大日本帝国には騎兵隊が無く、騎兵隊を作るところから始め、騎兵隊用の戦術や戦略を考案し実行していきます。

何においてもそうだと思いますが、ゼロから何かを生み出すということはとても大変なことであり、さらに好古の場合はそのできによって大日本帝国の命運が決まりかねない重責まで背負っていたわけですから、並みの神経ではやり遂げられなかったように思います。

また弟真之も世界最強と言われたバルチック艦隊を相手に大日本帝国を守るために戦うわけですから、こちらも並大抵なことではなかったはずです。

偉業を成し遂げた2人でしたが、酒好きでどこか憎めない雰囲気の好古と、喧嘩っ早く気が短いが兄には絶対頭が上がらない真之のやり取りはとても面白かったです。


あなたも感想を書いてみませんか?
レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。
会員登録して感想を書く(無料)

他のレビュアーの感想・評価

坂の上の雲を読んで近代日本を知る

近代日本の歩みを学べる一冊この本を読めば日露戦争からスタートした日本の戦争の歴史が私の今の生活にどのように関わってきたのかがわかる。もしこの戦争に負けていたらどうなっていたのかを想像してみると良いと思う。明治の漢たちの生きた美しい時代が蘇る日露戦争で大活躍した秋山兄弟を始め、名将とうたわれる東郷平八郎や、乃木希典、児玉源太郎をはじめ、正岡子規、夏目漱石など日本の近代化に貢献した偉人の生きた時代が如実に描かれている作品。偉人と呼ばれる彼らの生き様を通して歴史の転換期や彼らの人間的な魅力も見えてくる。いつの時代も若者が国を創るこの小説は単行本で全6巻にもなる長編小説なのだが、作家司馬遼太郎の代表作とも言える作品だ。小説の時代は明治時代の日本の世界における地位を確立した日露戦争をテーマに、そこに生きる人々の国に対する熱い思いが描かれている。日本は当時ロシアやイギリス、ましてやアメリカからすれ...この感想を読む

4.54.5
  • アヴァロンアヴァロン
  • 519view
  • 2022文字
PICKUP

坂の上の雲

「坂の上の雲」はNHKで、2009年から足掛け3年に亘って、年末の特殊な時間帯に特別番組として放送された。小生はそれ以前に既に、全巻読破していたので、非常に興味をもって観ていたのであるが、それにしても続編が一年間に亘って待たされると言うのは、余り例が無かったのではないでしょうか。この本を論評するには、余りに広大なほどのノンフィクションストーリーなので、一言では言い表せ切れないのである。 ただ、作者の冒頭の記述を借りれば、(テレビのナレーションにもあったかな)、「米と絹しか産せぬ百姓国家の中で、滑稽なほどに楽天的な連中が、ヨーロッパの古い大国を相手に、どう対決するか・・!」、云々。その滑稽なほどに楽天的な連中の物語は、明治期における日露戦争での名参謀と言われた秋山真之、好古兄弟と開明的歌人と言われた正岡子規を軸にして、四国・松山出身の三人の男達が織り成す友情と国家存亡の時とを合わせた大叙事詩的物...この感想を読む

5.05.0
  • orimasaorimasa
  • 185view
  • 469文字

関連するタグ

坂の上の雲を読んだ人はこんな小説も読んでいます

坂の上の雲が好きな人におすすめの小説

ページの先頭へ