家族・親族間の愛情や恋愛を描いた3篇 - アカペラの感想

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アカペラ

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家族・親族間の愛情や恋愛を描いた3篇

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演出
4.0

この本は、表題作「アカペラ」と、「ソリチュード」「ネロリ」の、3つの中編で、構成されています。 どの話も、家族や親族間の愛情を描いていて、それぞれ、離婚問題が絡んでいます。 「アカペラ」の、タマコとじっちゃんの話は、最初、微笑ましく読んでいました、が、途中、2人が駆け落ちして、最後の一線を越えてしまった所でどうにも受け付けられない気持ち悪さを感じました。 最後のどんでん返しで、タマコ的にはかわいそうかもしれないけれど、それで良かったんだと思いました。 「ソリチュード」」の、春一と美緒が、いとこ同士だったけど、元恋人同士でもある…というのも、生理的に受け付けられなかったけれど、それ以外は、いい話だ、と思えました。 美緒の元旦那が、春一を殴る所は、やっぱりそうだよ、それで良いんだ!と思いました。 「ネロリ」の、姉と弟、志保子と日出男は、身体が弱かったり、障害がある家族がいる所は、どうしてもこうなりがちなんじゃないかなあ、と思って、それをココアちゃんに「「ちょっとキモい」と言われるのは、あんまりじゃないかと思った。でもまあ、ココアちゃんはいい子だな、と最後で見直しました。 という風に、3編とも、ちょっと受け付けられない部分はあったけれど、話としては面白かったです。 ので、★を1つ減らしました。

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山本文緒『アカペラ』レビュー

ゴンタマとカニータこの小説の視点人物は二人いる。崩壊しかけの家庭で、大好きな祖父との二人暮らしをあっけらかんと満喫している中学三年生のタマコ(通称ゴンタマ)と、その担任である三十代前半の「デモシカ」教師蟹江清太(通称カニータ)だ。タマコが「就職」と書いた進路調査票を提出したことがきっかけとなって、カニータはタマコに深く関わり始める。物語はタマコ(ゴンタマ)パートとカニータパートを交互に繰り返しながら進む。二人の登場人物の視点から書かれた小説は決して珍しくないが、このゴンタマ・カニータほど絶妙な組み合わせはそうそうないだろう。二人は中学生と担任教師という立場ではあるが、家庭環境もあってか大人びたところのあるタマコと、私服なら大学生にも間違えられるほど若いカニータは、学校内での関係に捉われないまっすぐな目線でお互いを観察している。カニータの目を通じて「もう子供ではないタマコ」の姿が、タマコ...この感想を読む

5.05.0
  • 練
  • 214view
  • 3875文字
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