人の居場所なんてね、誰かの胸の中にしかないのよ
ファデリカ
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bluとrose、3回ずつ読んだ。男性側からのbluと女性側からのrose。物語の中で2人が交わる部分のそれぞれの心模様は両方の作品を読まないとわからない。この作品好きの人との会話では、bluとroseどちらから読むのがオススメかという話になる。私は、bluから読む派だ。bluで描かれている感情むき出しの男性心理にキュンとした後にroseで描かれている意外とサバサバ割り切っている女性の心理に「そうか、そうか」とやや納得しながらも、「でも、自分ならなぁ~」と想像するのが楽しい。roseは江國香織さんが見ている女性像がサラリと描き出されている。もうちょっと感情表現豊かな女性を描いてもよかったのかな?という感じはするが……。映画を鑑賞して小説を読んでいない人は、ぜひ読んで欲しい。小説の方が断然面白い!!
この小説には、1組の男女の恋愛が描かれています。「赤」を意味する、このRossoは江國香織さんが、女性側(あおい)の目線からの物語を辻仁成さんが、男性側(純正)の目線からの物語を書いた2冊の女性側の小説です。主人公のあおいがイタリアにいるのでこの街の風景がキラキラするような文章で描かれています。すごくイタリアに行きたくなります。そして、あおいの恋愛。日本とイタリアで離れていて10年も相手を想う気持ちがイタリアの風景や生活の描写の間から見え隠れして女性としては、痛いほどの恋愛気分に浸ることが出来ます。江國さんだからこその文章だと思います。オススメです。
これぞ!恋愛小説。この小説は、月刊誌で江國香織さんと辻仁成さんが交互連載という形で書き上げられたものです。江國さんはおあい目線で書き、辻さんは阿形純正目線で書いています。映画化もされ、イタリアが舞台になっており、美しい風景の映像が印象的です。あおい目線の『冷静と情熱のあいだ』は、女心満載で、切ない、胸が苦しいです。10年お互いを想うって出来ないです。でも本当に愛する人と出会ったら、10年は長くはないのかもしれないです。心理描写が本当に素晴らしくて、これは恋愛小説の傑作だと思います。辻さんの方も読んだ方が良いとは思いますが、私は江國さんの方が好きです。
ファデリカ
主人公が知り合いの老女から告げられる言葉