お参りの人で混んでいると、母さんとゆっくり話せない気がする、と父さんはいう。だからお墓にいくのは、いつもお彼岸が済んでからだ。
篠崎達也
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何気なく水をやったしおれかけた鉢花が、1日で元気な姿になったのを見て感動した主人公。その後、成り行きで園芸部に入って…というお話です。運動部じゃなくても、青春は熱いなあ、と思わせてくれます。素敵な話でした。3人の高校生の男子が出てくるんですけど、皆素敵な男子だな、という感じでした。園芸の基礎的な事(水やりなどの意味)もわかり、為になる本でもあります。高校1年生の頃って、まだ少し中学校の記憶から逃れられなかったりするけれど、園芸部の活動を通して、この3人の男子達が、考え方も少し成長して、高校生になって行く話でもあります。読み終わった後、自分でも、なにか植物を育ててみたくなりました。そんな本です。
全体的に安定していたなー、と思った。さすが魚住直子さんというか。この方の作品は学生の頃から読んでいるが、とても馴染みやすい文体と物語だなぁと思う。展開としては、よくある感じ、というと聞こえは悪いが、王道的な展開?ちょっと悪いふうな男子が部活を通じて変わっていく。人と接するのが苦手な男子が部活を通じて変わっていく。そんなお話。植物の生長を見守って、それに喜ぶ男子たちは単純にいいなー、と(高校生なので、少年と呼ぶには大人のような気もするが)。でも、うーん、どこかで見かけたような感覚はどうもぬぐいにくいので、人にこれ面白いよ! とオススメできるような話ではないかなぁ。
篠崎達也
主人公が父とふたりで子供のころ亡くなった母親の墓参りに行くシーンで。