戦うヒロイン、リセットに失敗する
今ではアカデミー賞にノミネートされる実力を持つデヴィッド・フィンチャー監督のデビュー作。 一作目ではSFホラー、二作目ではSFアクションと続けて成功したシリーズ。 当然ながら重圧がかかる三作目に新人を起用してみたが、その評価は散々であり、更に主演のシガニー・ウィーバーとの衝突も話題になりました。 とにかく、本作は製作側のトラブルが非常に多く、その為に作品のクォリティーが低下してしまいました。 それまで成功を収めていた前作たちと比べ、本作はある意味、リセットした状態で再始動したけど面白さは伴わなかった。 個性があったシリーズの登場人物たちだったが、今回は囚人でしかも全員がスキンヘッドという特徴のないキャラクターになったのもつまらなさの一因だったと思う。 一度だけ鑑賞すると誰が誰だか分からないし、別に誰でもいいという印象を与えるのも残念である。 エイリアンの形態も犬を宿主として4足歩行する新しいタイプも、インパクトがなく、一匹という点でも一作目と被っている上に演出の面でも足元に及ばない。 そもそも囚人が犠牲になったところで共感はできないのが最大の失敗だと言える。 前作ではリプリーだけが無傷なのに、他に助かったヒックス伍長、少女のニュートンが冒頭で死んでいて、アンドロイドのビショップが辛うじて動くもすぐに停止というリセットも納得できない。 新しい試みをしたのはいいけど、製作においてのトラブル、幾度の脚本書き換え、監督の交代や新人の起用が噛み合っていない結果が如実に反映してしまった残念な作品でした。
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