ストロベリーナイトの評価
ストロベリーナイトの感想
女性警部補がいい
ドラマ化されたものにハマり、それをきっかけに手に取った。警察もののミステリーというジャンルだろうか。主人公は女性警部補。彼女の部下たちとの信頼関係や、対立する立場の刑事達との確執なども魅力的に描かれている。事件についてもなかなか複雑で面白い。登場人物のキャラクターが立っていて興味深い。主人公姫川が’男勝り’でないところがいい。彼女は警部補で部下を持つ立場でありながられっきとした’女性’であり、男性の目も意識するし部下に恋心を抱いたりもする。当然ながら仕事に対する姿勢は男を凌ぐほどであり、いわゆるギャップが面白い。事件の描写がグロすぎてキツかったので、苦手な人は読み飛ばしたほうがいいかもしれない。狂気な事件で複雑な背景を匂わせながらも、テンポ良く進んでいく展開には引き込まれる。
この本のおかげで警察小説を読むようになりました
初めて読んだ誉田哲也氏の小説です。警察小説もほとんど読まなかったのですが、この本のおかげで警察小説もよく読むようになりました。主人公の姫川玲子の人物設定はよく出来ていると思いました。感で動くようなところがうまくいったり、表題になっているストロベリーナイトへたどり着く道筋はちょっと都合がよくて安易な感じもしましたが、全体的には早く次の展開を読みたい、と思わせる、魅力的な構成です。トリックを見破るという類ではなくて、事件の背景をあぶりだしていくと、想像もできないような事態が起きていた、という展開がすごいです。ちょっと性的な描写もあり、それがまた物語の影の一つになっています。