おまえだけには、いずれ顔を見られねばならぬな
春琴
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「春琴抄」は、1933年に「中央公論」に発表された、谷崎潤一郎の小説である。 主人公の春琴は、大阪の薬屋の娘で、9才の時に失明してしまう。以来、三味線を習って生計をたてることになり、丁稚の佐助が身の回りの世話をするようになる。佐助も春琴に三味線を習うようになるが、春琴は妊娠し、佐助そっくりの子を産む。しかし、二人は関係を否定し、結婚もしない。その後、春琴の美貌に惚れて、利太郎という名家の息子が弟子入りするが、春琴に袖にされ、その腹いせに春琴は何者かに熱湯を顔に浴びせられてしまう。不憫に思った佐助は、自ら両目を針で突いて失明し、終生春琴に仕えていくという耽美的なストーリーである。 1935年には田中絹代、1954年には京マチ子、1961年には山本富士子という大女優の主演で映画化され、近年においても、1972年には渡辺督子、1976年には山口百恵、2008年には長澤奈央の主演で映画化されている作品である。
谷崎の生涯追求してきたと言って良い女性崇拝と美を、琴のお師匠とその下男の関係の中で昇華させています。この時期の谷崎は初期の西洋崇拝を脱して、東洋的な美、中でも日本美に回帰しており、その感覚の中で作られた傑作と言えるでしょう。ひたすら美しい師匠に忠実に仕えることに喜びを見出す下男と、盲目の師匠の関係は、形を変えながらも初期から続いてきたテーマでもあります。ここに特筆すべきなのはこの時期の谷崎の文章感覚でしょう。文章の優れていた点は初期からありましたが、この時期は欧語系も排して、極力和文体にしようとしています。あえて英語などを使わずどう表現するかでこの作は到達した点があると言っても過言でありません。
生年月日:文政十二年五月二十四日 性別:女 国籍:日本 住まい:大阪道修町の薬種商 性格:驕慢、気むずかしく陰鬱、俊敏で早熟 特徴:輪郭の整った瓜実顔、強情、盲目、嗜虐性の傾向 趣味:美衣美食、小鳥道楽 特技:三味線 好きな食べ物:鮎、鯛のあら煮、蟹蝦 本名:鵙屋琴
よみがな:しぎさわてる 年齢(作品時):七十一歳 性別:女 国籍:日本 住まい:淀屋橋筋 性格:実定な所 物語上での目的:佐助の身辺の用を足すこと 評価:気の置けない少女、大いに二人の信任を得て 春琴の思い出について:お師匠さんの御器量が目あてで習いに来られるお人もござりました、お弟子さんはほんに少うご...
ニックネーム:ぼんち 性別:男 国籍:日本 所属:土佐堀の雑穀商美濃屋 性格:威張る癖があり、見下す風があった 趣味:琴三味線 物語上での目的:佐助を嫉妬していた、佐助を悲嘆せしめようとした、性悪な意趣晴らし 評判:放蕩者、遊芸自慢 実父:九兵衛 春琴に対する態度:横恋慕、年増女の美に憧れる、盲目の美女に...
春琴
顔に火傷を負って醜くなってしまった顔を、最愛の恋人に見せなければいけない悲しい気持ちを伝える
春琴
顔に火傷を負った最愛の人の顔を見て相手を悲しませずにすんだ気持ちを語った