鴫沢てるのプロフィール
本名 | 鴫沢てる |
---|---|
よみがな | しぎさわてる |
年齢(作品時) | 七十一歳 |
性別 | 女 |
国籍 | 日本 |
住まい | 淀屋橋筋 |
性格 | 実定な所 |
物語上での目的 | 佐助の身辺の用を足すこと |
評価 | 気の置けない少女、大いに二人の信任を得て |
春琴の思い出について | お師匠さんの御器量が目あてで習いに来られるお人もござりました、お弟子さんはほんに少うござりました |
奉公先での役目 | 話相手、一種の連絡係り、盲人の間を斡旋 |
春琴抄の他の登場キャラクター
春琴抄の感想
古典美を流麗な文章で
谷崎の生涯追求してきたと言って良い女性崇拝と美を、琴のお師匠とその下男の関係の中で昇華させています。この時期の谷崎は初期の西洋崇拝を脱して、東洋的な美、中でも日本美に回帰しており、その感覚の中で作られた傑作と言えるでしょう。ひたすら美しい師匠に忠実に仕えることに喜びを見出す下男と、盲目の師匠の関係は、形を変えながらも初期から続いてきたテーマでもあります。ここに特筆すべきなのはこの時期の谷崎の文章感覚でしょう。文章の優れていた点は初期からありましたが、この時期は欧語系も排して、極力和文体にしようとしています。あえて英語などを使わずどう表現するかでこの作は到達した点があると言っても過言でありません。