春琴のプロフィール
本名 | 鵙屋琴 |
---|---|
生年月日 | 文政十二年五月二十四日 |
性別 | 女 |
国籍 | 日本 |
住まい | 大阪道修町の薬種商 |
性格 | 驕慢、気むずかしく陰鬱、俊敏で早熟 |
特徴 | 輪郭の整った瓜実顔、強情、盲目、嗜虐性の傾向 |
趣味 | 美衣美食、小鳥道楽 |
特技 | 三味線 |
好きな食べ物 | 鮎、鯛のあら煮、蟹蝦 |
春琴抄の他の登場キャラクター
春琴抄の感想
古典美を流麗な文章で
谷崎の生涯追求してきたと言って良い女性崇拝と美を、琴のお師匠とその下男の関係の中で昇華させています。この時期の谷崎は初期の西洋崇拝を脱して、東洋的な美、中でも日本美に回帰しており、その感覚の中で作られた傑作と言えるでしょう。ひたすら美しい師匠に忠実に仕えることに喜びを見出す下男と、盲目の師匠の関係は、形を変えながらも初期から続いてきたテーマでもあります。ここに特筆すべきなのはこの時期の谷崎の文章感覚でしょう。文章の優れていた点は初期からありましたが、この時期は欧語系も排して、極力和文体にしようとしています。あえて英語などを使わずどう表現するかでこの作は到達した点があると言っても過言でありません。