春琴抄の登場キャラクター
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春琴
生年月日:文政十二年五月二十四日 性別:女 国籍:日本 住まい:大阪道修町の薬種商 性格:驕慢、気むずかしく陰鬱、俊敏で早熟 特徴:輪郭の整った瓜実顔、強情、盲目、嗜虐性の傾向 趣味:美衣美食、小鳥道楽 特技:三味線 好きな食べ物:鮎、鯛のあら煮、蟹蝦 本名:鵙屋琴
温井佐助
よみがな:ぬくいさすけ ニックネーム:佐助どん、温井検校 性別:男 国籍:日本 住まい:大阪道修町の薬種商 所属:鵙屋、丁稚 価値観:お師匠様に比べると眼明きの方がみじめだぞ、盲目なればこそ眼あきの知らない幸福を味えたのだ 特技:三味線 出身地:江州日野 没年:明治四十年十月十四日
美濃屋利太郎
ニックネーム:ぼんち 性別:男 国籍:日本 所属:土佐堀の雑穀商美濃屋 性格:威張る癖があり、見下す風があった 趣味:琴三味線 物語上での目的:佐助を嫉妬していた、佐助を悲嘆せしめようとした、性悪な意趣晴らし 評判:放蕩者、遊芸自慢 実父:九兵衛 春琴に対する態度:横恋慕、年増女の美に憧れる、盲目の美女に...
鴫沢てる
よみがな:しぎさわてる 年齢(作品時):七十一歳 性別:女 国籍:日本 住まい:淀屋橋筋 性格:実定な所 物語上での目的:佐助の身辺の用を足すこと 評価:気の置けない少女、大いに二人の信任を得て 春琴の思い出について:お師匠さんの御器量が目あてで習いに来られるお人もござりました、お弟子さんはほんに少うご...
春琴抄の感想
古典美を流麗な文章で
谷崎の生涯追求してきたと言って良い女性崇拝と美を、琴のお師匠とその下男の関係の中で昇華させています。この時期の谷崎は初期の西洋崇拝を脱して、東洋的な美、中でも日本美に回帰しており、その感覚の中で作られた傑作と言えるでしょう。ひたすら美しい師匠に忠実に仕えることに喜びを見出す下男と、盲目の師匠の関係は、形を変えながらも初期から続いてきたテーマでもあります。ここに特筆すべきなのはこの時期の谷崎の文章感覚でしょう。文章の優れていた点は初期からありましたが、この時期は欧語系も排して、極力和文体にしようとしています。あえて英語などを使わずどう表現するかでこの作は到達した点があると言っても過言でありません。