いくら悩んでみたところで患者のためになるとは限らないんだよ里見。
財前五郎
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白い巨塔は、山崎豊子が執筆した長編小説である。 サンデー毎日にて、1963年9月15日号より1965年6月13日号まで連載。当初は第一審までで完結のはずであったが、鋭い社会性が話題を呼び読者からの反響が大きかったため、「続・白い巨塔」が1967年7月23日号から1968年6月9日号にかけて同じくサンデー毎日に連載された。単行本は1965年7月、続編は1969年11月に双方共に新潮社から刊行された。 泥沼の教授選、医療検査・手術、誤診裁判等の問題を綿密にとらえ、医局制度などの医学界の腐敗を鋭く追及。尊厳であるべき医学界に渦巻く人間の打算と欲望を迫真の筆に描いた社会派小説である。 また、インフォームドコンセントの問題を先駆けて描かれた作品であることが、作中内の財前の裁判の場面で分かる。 1965年にラジオドラマ化。更に1966年の映画化を始めとし、テレビドラマなどの映像化作品も多数出ており、そのどれもが好評を博している。2007年には、韓国でもテレビドラマ化された。
医学界の闇って今でも変わらないのかもう何十年も前から何度も何度も読み返して、私の『白い巨塔』は崩落し、ボロボロになってしまった。この名作を手元に置かずにどうする!と、買い直しのために本屋に向かったら昔は続巻だったのに、今では1巻2巻なんだね。映像化すると、帯や表紙が変わったりするもんね。そう、2003年に唐沢寿明主演でドラマ化された『白い巨塔』は現代ヴァージョンにリメイクされている。原作の『白い巨塔』はもっと古めかしく、もちろん、携帯電話もパソコンもない。伏魔殿のような大学病院の光と闇を描いているけれど、それは今でも変わらないのか。実は私は、大学病院と少なからず関係のある仕事をしていた。若い時にね。それはちょっと『白い巨塔』の裏側を覗いてみたいと思ったのかもしれない。だけど、平成の世の大学病院に「財前五郎」はいなかったわ。私の知り合いの教授はみんな気のいいお爺ちゃんだった。「今日は君に会え...この感想を読む
財前五郎
患者の立場に立って常に悩んでいる里見先生に対して言った言葉です。2人の考え方が対照的であるのがわかる言葉です。